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お兄ちゃんとデート
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弟を抱き締めるとオデコにキスをした。友葵はキョトンした顔で見てきたけど、俺は優しく笑うと頭を撫でた。そして、耳元で呟いた。
「友葵、お前は本当に可愛い弟だよ……。ずっと兄ちゃんの傍にいてくれよ」
そう言って話すと弟はその意味が分からない様子だった。でも、無邪気に『うん!』と答えた。俺はそんな無垢で可愛い弟に愛しさを感じた。
「――あっ、そろそろ始まるかも。早く行かないと……!」
「あっ! 雷切丸!」
「行くよトモちゃん!」
「待ってよぉ~、お兄ちゃん!」
自分の腕時計を確かめると、そろそろ始まる頃だった。俺達は慌ててトイレの個室から出ると、そのまま急いで走った。そして、無事にヒーローショーを二人で見る事ができた。
友葵は隣で無邪気に、はしゃぎながら楽しんでいた。まるでさっき事を忘れた様子だったけど、俺は隣でそんな弟を静かに見ながら不意に考えていた。そして一秒ごとにこの気持ちが『愛』だと胸の奥で感じた――。
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