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3話 急展開
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翌日、報告も兼ねて傑に声をかけた。
大切な話があると。
その話というのは、もちろん涼とのことだ。
どんな反応が返ってくるのか楽しみな反面、ちょっと怖い。
「話?いいよ。じゃあ話しながら帰ろう。」
いつもと変わらず至って普通な傑。
そんな傑を目の前にして、まだ僕は自分の気持ちに整理をつけられていなかった。
涼とのことをどうやって話そう。
もし引かれたらどうしよう。
ーー友達ですらいられなくなったら?
夏の暑い日というのに、冷や汗が出てくる。
汗が頬を過ぎって、涙のように伝い落ちていく。
「雪也?どうした、置いてくぞ?」
「すぐ行く!」
急いで荷物を押し込み、恋焦がれて止まない大きい背中を追いかける。
後ろ姿だけでも、こんなにもドキドキするなんて、本当に僕って単純。
並んで通学路を歩くが、会話はままならない。
きっと僕が話を切り出さないからだ。
傑は元来多くを語らない性格で、僕の話を否定することなく頷いて聞いてくれている。
それがなんとも心地よいものなのだ。
チラッと横目で傑を盗み見るが、何を考えているのかわからず、相変わらずの顔の良さだ。
どのタイミングで話すべきか1人で悶々と悩んでいると、傑が先に口を開いた。
「そうだ、話って?」
「えっと…、」
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