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本音 -10-
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「櫻井を送り届けてまいりました」
「うん、おつかれ」
黒宮は取り替えられたシーツに寝そべって、今朝の櫻井と自分の交わる姿をテレビ画面で眺めていた。
「俺ねぇ、こいつをどうするか決めたんだ」
「お聞かせ願います」
黒宮は少し目を輝かせながら、武上に視線を移した。
「お前の代わりだ」
「承知いたしました、その方針で櫻井との関係を進めます」
武上は表情を崩さず、黒宮はつまらなそうに画面に戻った。
「どう思う?」
「俺が任されている仕事をすべて櫻井に引き継ぐとすれば、今までにかかった以上のお時間をいただくことになります」
「んなこと分かってるよ、お前にしかできないことはおまえに頼む。だけど、マネージャー業はあいつにやってもらおう」
黒宮はゴロンと仰向けに寝転がって微笑んだ。
「あいつはpmpを守るためって散々バカなことやってきた。じゃあそのためなら自分があいつらのマネージャーから引き剥がされてもいいか、見せてもらおう」
「では櫻井の担当アーティストを変更する手筈を整えます。『支柱』の破壊は明日にも行いましょうか」
「まずはそれで様子見ってところかな……今度はどんな反応を見せてくれるかなぁ」
天井を見上げながらウキウキと笑う姿は、次の日の遠足を心待ちにする少年のようである。
武上は大きな少年のことを、いつもの表情のままに見つめていた。
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