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「玲おはよ!相変わらず朝からダルそうな顔だな。
ちゃんと朝飯食べてきたか?」
急に後ろからガッと肩を組まれる。誰がそんなことをしているかは見なくてもわかる。
「…元からこういう顔」
朝から元気そうなこいつ橘隼人(たちばな はやと)は、オレ、一ノ瀬 玲(いちのせ れい)の高校のクラスメイト
「俺は橘隼人、よろしく!」
教室の1番後ろの窓際の席で頬杖をつき窓の外を眺めてぼーっとしていると、前の席の生徒が話しかけてきた
「ああ、よろしく」
「名前は?あ、俺のことは隼人でいいから」
「....一ノ瀬 玲」
「仲良くしよーな、玲」
そういって爽やかな笑顔を向けられた
あの日話しかけられて以来、隼人は何かと絡んでくる。それからよく一緒にいるようになった。
橘と言えば関東で有名な極道らしい。
ヤクザの息子なんて怖がって誰も近ずかないかと思いきや
こいつは例外のようだ。
「橘くんおはよう!」
「橘くん一ノ瀬くんおはよ~」
「よう橘!れい!」
「よお。隼人おっはー」
「おはよ~!一ノ瀬くん」
皆におはようと爽やかな笑顔で挨拶を返す橘は、頭が良くスポーツもできる。
面倒見がよく誰にでも分け隔てなく優しいし、おまけに顔がいいのだ。
身長はオレより少し高い180cmぐらいか
黒い髪をきちんと整えて前髪は目にかからないように軽く流している。
アイドルのようだがどこか男らしい顔つきだ。
その力強い黒い瞳は綺麗にキラキラと輝いているようだ
一言でいえば、爽やかな好青年といったところか
だから家が極道でもみんなに好かれているようだ
そんな橘とよく一緒にいるオレも橘の友人としてみんなからよく声をかけられるようになった。
人と関わると疲れるからなるべく関わりたくないんだが、隣にいるこの男のせいでそれは無理そうだ。
隼人に目を向けると目が合う
「なんだよ」
「お前が見てきたんだろ」
そういって橘に髪の毛をわしゃわしゃされる
「うわ、やめろっ」
そう言いながらオレは橘の手をはらいのける
「髪伸び過ぎじゃないのか?切ればいいのに。
綺麗な金髪だし、もうちょっと顔が見えるようにしてれば今よりモテそうだけどな」
「モテなくていいし髪はたまに自分で切ってるからいい」
たしかにオレは顔を隠すように前髪の毛を、目元まで伸ばしている。
傍から見たら鬱陶しい髪型だろう
「自分で切ってるんだ。器用だな~~。
あっ、じゃあ俺は次の授業あっちだから、またな」
「ああ」
隼人の言葉に適当に相槌をうちポケットでバイブしているスマホを取り出しながら、
オレは教室ではなく屋上へ向かう
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