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二重生活(2)
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「お!玲おは……おい。また喧嘩か」
隼人が通学中にオレを見つけて声をかけてきたが、オレの頬に貼られたガーゼに気づき顔をしかめた。
「よく絡まれるやつだな。困ったらいつでも呼べよ?」
「わかった」
長い前髪でなるべく隠して気づかれないようにしているものの、いつもの事ながらオレの顔の傷や裾からのぞく包帯に気付いて心配そうな顔をされる。
任務の度にする怪我の言い訳を喧嘩ということにしている。
そのせいで、最近クラスメイトから少し距離を感じているが仕方がない。
それが当然の反応だろう。
しかし、隼人だけは毎回心配してく声をかけてくる。心配されるとどう反応していいか分からないから困るんだよなと思いながら、早足で学校の門をくぐる。
「朝から体育か~。玲、更衣室いこうぜ」
「ああ」
オレは隼人と更衣室へ向かう
「……お前、、、!それどうしたんだよ!」
体操着へ着替えていると、隣で着替えていた隼人が険しい表情で、昨日撃たれた傷の手当をしたオレの身体中に巻かれた包帯や傷跡を見つめる。
いつもは制服の下になるべく体操着を着て、体の傷跡や怪我がバレないように配慮していたが、今日に限って忘れていた。
やっぱりこういうのは隠すべきだったか。サッと着替えれば誰も気づかないと思ったんだがやはり隼人は気づくか
オレはそそくさと着替えを終わらせ、険しい顔つきになった隼人に声をかける
「大した事ない」
そういうオレに周りに配慮してか小さい声で隼人は言葉をかけた
「ただの喧嘩の傷じゃないだろ。それは撃たれた傷だ」
「…ただの喧嘩だよ」
「ッそんな傷が!ただの喧嘩でできる傷かよ!!」
オレの肩を掴み眉間にシアを寄せて声を荒らげる。隼人の怒った顔をはじめてみるた。
そうか。こいつは極道の息子だし普通の喧嘩でできる傷じゃないことぐらい気づくか。
「後にしてくれ、みんなが見てる」
急に声を荒らげた隼人に何事かと視線が集まる。
オレは肩を掴んでいた隼人の腕をのけ更衣室を出た。
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