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友達(1)
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昼休みになりオレと隼人は屋上へと向かう
「─── それで?その傷はなんなんだよ」
「喧嘩だって」
「知っているだろうけど俺は極道の息子だ。
子どもの頃から傷を負った組員を沢山見てきたんだ。
少なくとも、ただの喧嘩でそんな傷跡は残らない。
なんなんだ。よく怪我してたのも全部ただの喧嘩じゃ
ないってことだろ。
……話してくれないのか?」
「ただの喧嘩だ」
事情を話すわけにもいかないしオレは喧嘩ということで押し通す。そんなオレに隼人は呆れてため息をついていた
「そうか……言えないってことか。わかった。
なにか言えない事情があるんだろ。今後はお前の傷に
ついて触れない。
けど、いつでも困った時は僕が助けになるから覚えて
おいて。友達だろ。」
「─── 友達か。わかった、覚えておく」
「おっし、じゃあとりあえず購買行こうぜ」
オレたちは屋上を後にする
隼人が物分りの良い奴で助かったな
─── そしてどうやらオレに友達ができたようだ
ん?トモダチ???
その日の夜、オレはルカさんに電話をした
「お疲れ様ですルカさん。
報告したいことがありまして」
『んー?』
「オレ……友達ができました」
『友達?レイに?やるじゃん』
「はい。これで潜入捜査は終わりということでしょうか」
『アハハ!!!そんな訳ないだろう馬鹿だなあ。友達を
作るだけじゃダメだよ。まあレイにしたら友達が出来
ただけでも奇跡だけど。
それにクスリの件は、高校へ潜入捜査しながら調査し
ないといけないの忘れたのか?』
「………任務終了じゃないんですか。
例の任務は潜入しなくてもオレは調査できます。もう
わざわざ高校へ通う必要ないと思うんですけど」
電話の向こうで大笑いしているルカさんの声を聞きながらショックで固まる
『友達は作って終わりじゃない。むしろここからが始ま
りさ。友達はどんな奴なの?』
「隼人っていうお節介なやつです」
『ああ、橘組の孫か』
「知ってるんですか?」
『当たり前だろ。オレはお前の教育係なんだから、お前
が見た資料は俺も見てるしクラスのデータは頭に入っ
てる。橘家のやつか、良い奴に近づいたな』
「ルカさん、これから友達ってどうするんですか」
『とりあえず遊びにでもいけば?』
「遊びってなんですか」
『何でもかんでも聞くな。
俺だって高校生の遊びなんてわかんねーよ。でもカラ
オケとかボーリングとかじゃねえの?わかんねえけど
な。じゃあ、忙しいから切るぞ。真面目に仕事しろよ
☆』
「あっ、ちょ……まじで使えねえあの教育係」
遊び……ねえ?
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