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お見舞い(2)
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「戻った……って寝てる?」
広いリビングにあるのは黒いテーブルとソファーのみ。ソファで寝ている玲に近づくとパチッと目が開き飛び起きた玲。青ざめた顔でこちらを見てくる瞳にはかすかに恐怖が感じられる。
「っ……隼人か」
「驚かせちゃったかごめん。色々食べられそうなもん買
ってきたからさ」
「悪いな」
「気にすんなって。それにこういう時は“ありがとう”っ
て言うもんだぜ」
「…ありがとう」
「どういたしまして。それより玲、越してきたばっかり
か?勝手に台所とか使わせてもらったけど使った形跡
ないし、この部屋もテーブルとソファだけだし」
「いや、入学したときから住んでる。特に不自由はして
ないよ」
それにしたってこの広い部屋にソファとテーブルだけなんて異様な光景だ。
正面が1面ガラス張りになっていて開放感があるからかか、人が住んでるようには見えない。
「やっぱ玲はよくわかんないやつだな。まあとりあえず
飯の前に服脱げよ。体拭いてやるから」
「それぐらい自分で出来る」
そういいながら、まだ辛そうに息を強いるし、顔色は悪く汗をかいている。
「何いってんだよふらふらのやつがよ。遠慮するなって
ほら………うわっお前また包帯だらけじゃねえか。
とりあえずこれも血が滲んでるしのけて巻き直すぞ」
「はあ、もう好きにしろよ」
諦めたようで玲はもうされるがままだ
こいつの顔色はほんとに悪いし、早く寝さしてやりたいけどこの怪我の手当も見る限り雑だからな。僕は組員達の怪我の手当なんかをよくしているから割と得意だ
雑に巻かれた包帯とガーゼを剥がしていく
最後に脇腹の血が滲んだガーゼを剥がした
「これは……」
そこには銃創があった
思わず玲の顔を見たが、目を合わせようとしないためどうせ聞いても答える気は無いんだろうな。
土曜日は平気そうだったし、俺と別れたあとか昨日何かあったのか。
「ったく」
とりあえず体をふき全ての傷の消毒をして、包帯を巻き直した。
「なかなか上手いもんだな」
「家が家だからな。脇腹の銃創はもちろんだけど肩の刺
傷もちゃんとした病院で手当してもらわないと駄目だ
ぞ。あの傷自分で縫ったのか?」
「うん。この程度なら問題ないよすまない」
「だからこういう時はありがとうでいいんだって」
「そうだったな。…ありがとう」
「はあ、もう深くはきかないけどさ。じゃあ後は飯食っ
て薬飲んでちゃっちゃと寝ろ」
玲をソファに寝かしてしばらく経つけど一向に寝る気配がない。
もしかして人が居ると寝れないとか?
僕は熱を測るためにそっと玲の額に触れる
「っん」
「んー、熱は少し下がったか」
「そうみたいだ助かった」
「いいよ。……それより僕が居たら寝れない?帰ろうか」
「えっ、あー、そうなのかも」
「じゃあ帰るけど、何かあったらいつでも連絡しろよ」
「ああ今日はすまなかった」
「また今度遊び行こうぜ!」
「…ありがとう」
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