アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
レイ(2)
-
ある雨の日だった
施設の門の前に真っ黒な高級車が止まり
そこから出てきたのは真っ黒な傘をさして
真っ黒なワンピースに身を包み
真っ黒な長い髪をなびかせる少女だった
傘で隠れていた顔が見えた時
自分と同じ赤い色の瞳と目が合った
その一瞬時が止まったかのように感じた
可憐な少女のような見た目をしていたが、何故かその瞳の赤は血の色を連想させた。
施設の玄関へ入ってきた少女は、オレの前で立ち止まると、目線を合わせるためにしゃがみこみにっこりと微笑んだ
「こんにちは。私はイザベラ。貴方の名前は?」
「……名前は無い」
「そう。── じゃあ貴方の名前は今日からレイよ」
「レイ……」
「ええ、レイ。私と一緒に来なさい」
そういうとオレに向かって手を伸ばした
その手を掴み返すと、イザベラは優しく抱きしめてくれた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
31 / 41