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10月の旧暦。この月の和風月名をご存知だろうか。
カレンダーの片隅で目にしたり、ふとした風に乗ってこの音を聞いたこともあるだろう。この月を古来の呼び名で神無月と呼ぶ。だが、とある地域の人たちに限って神在月ともいう。
多くの人は神無月と呼ぶこの月にどうして二つ名が存在するのか、そろそろピンとくる人もいるはず。
この月は、全国の神がとある地域に集まることになっている。そうして、来年をどんな年にするか等の会議が行われる。その会議のことを神議(かみはかり)という。
全国から神がいなくなる月であることから『神が居無い月』で神無月。しかし、逆をいえば神が集まる地域がある。そう『神が在る月』つまり神在月(かみありづき)と呼ぶ地域が存在する。
神在月は八百万の神々が、この地域の社へ順番にお立ち寄りになり来年をどんな年にするのかというものから縁談の相談などさまざまな話し合いが行われると言われている。その後、直会(なおらい)を催す。直会という言葉は、聞き馴染みがないが、要するに宴会である。
ここで…
全国の神がいなくなると言うことで、不安を感じる人間もいるだろう。自分たちを見守り、寄り添ってくれる存在が一時いなくなる。だったらわざわざ神社へ出向いて願掛けに行っても無駄じゃないのか?加護がなくなるということは隙をついて悪霊が跋扈するのでは?と不安に思うだろう。
安心して欲しい。『捨てる神あれば拾う神がある』という諺のように、神議に参加する神がいれば残ってくださる神もいる。要するに、留守番である。そうして、私たちは神に見捨てられることなく、百鬼夜行に出会すこともないのである。
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