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○○年×月、俺は神によって生み出された。
名前はない。種族もわからない。でも人ではないことだけはいえる。だって俺は、人を喰らう化け物なのだから……
俺の前世は何をしたんだろう。どうしたら人を食べて生きていく化け物となるのだろうか。
見た目は人間。性別は男。人間からしたら、特に何も違いはない。ただ、食べるものが違うというだけ。
キュルキュルッ……お腹の音。ご飯食べてないからな……
人の肉など早々手に入るものでもない。だって人の肉を食べるということは、人を殺すということだから。俺は人の肉を食べる。人間が豚や鶏、牛の肉を食べるように。
ブーブーッ。携帯が鳴る。携帯が鳴ったということは、ご飯がもらえるということ。つまり、誰かが死ぬ。
「今日のご飯は、どんな味だろう……」
想像するだけで、口の中から唾液が零れ落ちてくる。
……ハッ!
鏡に映った自分の姿。獲物を狙う獣の目。鋭く生えた牙。興奮すると牙が生え、獣のような目に変わる。見た目が人から人外へ、境界線を超える。
「女?男?大人?子供?」
今の俺にとっての楽しみは、この食事だけ。
人間を食べるなんて、それを楽しみにしてるなんてどーかしてる?……そうだね、俺も最初はどーかしてると思ったよ。
親は普通の人間。赤ちゃんの頃は普通に母乳や離乳食を食べてた。幼少期だって普通に人間のご飯を食べてた。美味しいとは思わなかったけど……
でも、中学生になった頃かな。学校の帰りに良い匂いがして、路地裏に入ったら男の人が死んでて、その人の肉を食べたら少し美味しく感じた。
たぶんあの時は死んでから時間が経ってて、腐敗してたから少しだけしか美味しくなかったんだと思う。
だから、俺は試しに生きてる人の肉を食べた。
ちょっとだけ、お腹の肉をもらった。とても美味しかった。でもその人、動かなくなっちゃった。
お腹に脂肪があるから大丈夫だと思ったのに。
人の肉を食べるようになってから、他の物を受け付けなくなってしまった。かろうじて食べられるのは豚肉。それでも人間の肉ほど美味しくはない。
こんな生活を続けて10年ほど。親元を離れ、一人暮らしを始めて3年が経った。環境に慣れ、仕事も少しずつできるようになった。仕事といっても、それはご飯を食べることと一緒。
だって俺の仕事は、人を殺すことだから。
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