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また会いたい
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「キミと交われば、きっと主を鮮明に思い出せる。それってまた会えたことと同じだろ? なぁ、そうだろ⁉」
「違う。僕を犯したってお前は絶対満たされない。余計に乾いて空っぽになるだけだ」
きっとセフィドは解ってる。最新AIで導き出された答えを、本当は既に持っている。
だけどそれを認められないから、思考回路を暴走させてまで理解を拒んでいるんだ。
「なんで? なんで空っぽになるんだよ。俺はどこで間違えた? あぁ。なんであの時、主を置いて行ってしまったんだろう。自我が芽生える前だって、幸せだったのに。ねぇ、じゃあ、どこに行ったらあの人に会えるの」
錯乱し、失ったパーツを補うように、セフィドが僕を組み敷いて貪ろうとする。僕は必死にその手から逃れようともがいたけど、力で敵うわけがなかった。
どうにもできず、僕はこれから起こる悪夢を想像して歯を食いしばる。
だけど本当の悪夢はコイツに蹂躙されることじゃない。
ラヴィが二度と目を覚まさないこと。
「ラヴィ……お願い、起きて……っ」
もしかしたら、僕の声が届いたのかもしれない。
気づくとラヴィが洋品店の入口に立っていた。「あっ」と思った次の瞬間、僕に馬乗りになっていたセフィドの襟首を掴み、壁に叩きつけるように投げ飛ばす。その勢いは凄まじく、セフィドは店の壁を突き破り、転がるようにして通路に仰向けに倒れた。
「乃蒼様に気安く触れるな……!」
まるで猛獣が唸るような、今まで聞いたこともない低い声。
僕は自分が助かったことよりラヴィが起き上がってくれたことの方が嬉しくて、その背中にしがみついた。
「ラヴィ! 良かった、動いてく……うわっ⁉」
言い終わるよりも先に、息が苦しくなるくらいラヴィが僕の体を抱きすくめる。
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