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「新しい第一歩っと…踏み出したはいいが…うぅ…」
勢いと、オタク心に揺さぶられて入ってみた真っ白の世界は思いの他静かで、少し身震いしてしまいそうになった。
「ちょ、ちょっと一回戻ろうかな」
意気地のない私は、きた道を引き返そうと後ろを振り向くと先程まで存在していた玄関の扉が消えていた。
ーー見渡す限り白の世界。
「…軽率すぎたな…私」
会社に今から行こうとしていた矢先に、こんな世界に来たら職場は無断欠勤になるのではないだろうか。
今まで真面目に勤務してきたのに、無断欠勤とかもう会社に顔出せない…
迷惑になる事だけは、したくなかったのに…って今更心配してもしようがないか…
でもーー
「はあー…白だけじゃつまらない…」
現実世界の心配はしたって、どうしようもない事はわかった。
だが、せめて視界に変化がほしい!
「男がみたいー!おにゃのこでもいいー!人ー!」
ーークスクスーー
「ん?笑い声?」
それも、幼い感じの…こう成熟し切ってない少女のような。
ーー……ーー
「気のせい?」
また無音になってしまった世界。
願望ゆえの、声が聞こえてしまったのか…
「幼女でもいい、このさい老人でもいいよー…人と話したい…」
ーー人ではない、我は用無しだなーー
!
今度は聞き間違えではない、ちゃんと喋った…はず。
「誰か居るんですかー?」
恐る恐る話しかける私に何も見えない白い空間が喋りかけてきた。
ーーまぁ、お前の場所には居ないが我からはお前が見えてるぞーー
何それ、ずるい。
高みの見物ですか、え?
「じゃ、こっちきて…とりあえず人と話したいです…名前はなんて言うのですか?」
ーー名はないな、呼ばれた事がないので申し訳ない。好きなように呼ぶといい。それと、そちらには行けないなーー
名前が無いですと?
なんて可哀想な人なのか、それとも定番の神様なのかい?
聞きたいけど、神様だったら厄介そうな話を持ちかけられるのが定番だからなぁ…そっとしておくとしよう。
「わかりました、こっちに来れない理由は聞いても大丈夫です?」
当たり障りなく聞くのがいいかな…うん。
ーーなんだ、名付けてはくれぬのか。理由は、そちらは我の領域ではないからだーーー
つまらなさそうに言う〝予想神様〟は説明に取りかかった様で
あ…電波な話になりそうな予感。
と、内心耳を塞ぎたくなった。
ーーお前がいた世界と、我の世界との狭間になる場所にお前は今いるーー
難しい話は嫌いじゃないけど、宇宙規模な話は理解しがたい…
「か、簡単に言うと?」
ーーお前の世界でいう、異世界への入口一歩手前的な所だーーー
厄介な場所には変わりないのね。
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