アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
靖友消失④完結~腐二次創作弱虫ペダル荒北目線
-
真護の許に戻れねえ。
諦めた俺は餌を食うのをやめた。
もともと脂肪の少ない俺の躰。
みるみる細ってく俺を二人はけんめいに看護しようとしたが、それも俺が福富寿一でないと気づくまでのことだった。
小太りが血相変えてかけ込んで来て叫ぶ。
そいつ福富寿一じゃない!
寿一いまはジャイアント乗ってる!
無個性な方が仰天する。
ザマミロ。
てめえらなんかに福チャン味わわせてたまるか。
俺の…畜生、新開の…
大事な福チャン…
「この野郎!」
無個性が俺を殴ろうとするが、小太りが止めた。
そんなことやってる場合じゃない。
誰かが俺らのこと聞き回ってるんだ。
堅気じゃねえ。
こいつ何かヤバイやつだ。
おめえらの方がずっとヤバいだろがタコ!
言ってやりてえが首も上げられないのが俺の実情だ。
堅気じゃねえやつらって…坂戸…とかだろか…
あいついがいといいやつだったんだなぁ…クソッ。
目の前がかすんできやがった。
真護…真護…最後に一目…
バキッとか、どかっとか、そういう音が車の外から聞こえる。
坂戸のとこの若い衆か、はたまた坂戸自身か。
マヌケ面を観てやろうと、せいいっぱいの力で重い瞼を開く。
バンの横ドアを引き聞けた男は、坊主頭でどんぐり目だった。
「すまん。遅くなった」
どこにそんなカが残ってたんだろか。
俺は飛びついて泣いた。
「遅えよ真護っ」
薄汚ねぇ自分より、何されたかより、生きて真護に再会出来た喜びの方が大きかった。
「俺っ俺っ」
「何も言うな。よく生きていてくれた」
アイシテイル。
真護の唇がそう動くのを見届けて、
俺は意識を失った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
48 / 98