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オモイビト:6
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しばらく他愛もない話で過ごしていたけど不意に、というかやっと、核心に触れる話を琳がふってきた。
「まー…な。色々聞きたい事とかあるわけ」
「……ごめん」
「違ぇよ、俺はお前に謝らせたくて会いに来てんじゃねえから」
頬杖付きながら琳が俺を見つめてくる。
「いや、俺は……琳に会ったら謝らずにはいられない」
「なにそれ」
「謝らなきゃいけない事がたくさんあるって事だよ」
「理央、俺に何か謝らなくちゃいけないことしたの?」
わざとらしく琳が返す。琳だって気付いてないとか分かってないわけじゃないと思うんだけどな。俺に謝らせないようにしているんだろ。でもそれじゃ俺が琳に会いに来た意味がない。
「琳、聞いて」
「………」
「俺はお前に…祐にも隆にも謝らないといけないんだよ」
「……謝る…か…」
「…謝るとかの問題じゃないとも思ってる。 あの時に祐と隆を俺は置いていった。翔が言ってた。琳が俺を見つけてくれたって。それでその後木田の所へ向かわせてしまった。その後俺はお前らに会おうとしなかった。本当に卑怯だよな」
こんな時にも琳の顔をまともに見ずに話す俺は本当に情けない。顔をあげれない。
「俺は理央にもう一つ言ってもらいたい事があんだけど」
「…………」
「ごめんばっか。……謝るくらいなら礼を言ってもらいてぇな」
………これ、前も言われた気がする。
何だろう、きっと……あの時から俺は謝る癖がついてしまったんだろうか。琳の顔を見れば真剣にこちらを見つめている。
「そーだなー……まあ、俺の話も少し聞いてよ」
そう言って琳は俺のキャスターに手を伸ばし、箱から一本取り出して火を付けた。
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