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精肉コーナーのミンチくん
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その日、待ち望んでいた瞬間は訪れた。
「うわーっうわーっ!人間がぼくをカゴに入れた!」
ぼくは精肉コーナーに並んでいる合挽き肉…ミンチだ。
人間に美味しく食べてもらって、その身体の一部を作る事がぼくらの大事な大事な使命。
「よかったなミンチ!」
「頑張って!幸せにね!」
「しっかり使命を果たすんだぞ!」
冷ケースで一緒だったお肉さん達が、ぼくの門出を賑やかに祝福してくれている。別れは少しだけ切ない。けれどそれ以上に希望がぼくの胸に満ち満ちているんだ!
「ぼく、きっと美味しく食べてもらうよ!みんなも頑張ってね!お先に!!」
カゴの中からぼくも手を振り返す。
これからぼくはどんな料理になるんだろう?どんな風に食べて貰えるんだろう!
冷ケースの中とは明らかに違う空気、温度。そのアツさに僕はドキドキしていた。
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