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ベッドに追い詰められ、座らされて。押し倒されそうになるのを、オレはやんわりと拒んだ。
「カーテン、開けっ放しだよ」
それにはすぐに反論される。「はあ!?」って。片眉を上げて。
「んなの誰も見てねーっスよ」
アツヤ君はそう言ったけど、夜だし。気になって仕方ない。
覗かれるのもイヤだし。
「覗くようなヤツには、見せつけてやりゃいーじゃねーっスか」
オレを上から見下ろして、アツヤ君がくくっと笑った。
けど、そんなこと言いつつもカーテンを閉めに行ってくれて……たったそんだけのことなのに、言うコト聞いて貰えて嬉しかった。
「さっきさ、そこから覗いてた?」
背中に向かって問いかけると、「別に」って言われた。
ウソでも「帰りを待ってました」とか言ってくれれば可愛いのに、そういうとこ、足りてないなって思う。
でも、今更そういう甘い言葉、かけられたら逆にキモチワルイし。
「心配してました、とか言って欲しーんスか?」
皮肉っぽく笑われながらそう訊かれて、今度はオレが「別に」って答えた。
「へーえ」
って、見透かしたように顔を覗き込まれると、じわっと顔が赤くなる。
キスもしないで顔寄せられるの、ちょっと苦手で。そうされると、つい先に目を閉じてしまう。
そして、そうなったらもう、されるがままだ。
スラックスのベルトを外されて、乱暴に引き抜かれ、放られる。
シワになるかもって思ったけど、「待って」って言って、待って貰えたことなんて1回もない。
スイッチの入っちゃったアツヤ君は、強引で、情熱的で。性急にオレの服をはぎ取り、肌を撫で回し、思うままにしてしまう。
不慣れだったフェラも、前に本人が言ってた通り、すっかり上手になっちゃった。
あっという間に勃起させられ、射精させられて、放心する間もなく、ヒザを割られる。
「ローション、もう残り少ねーっスよ」
甘く掠れた声と共に、ぶしゅっと色気のない音が聞こえて、何か笑えた。
ムードもロマンも何もないのは、恋人同士じゃないからだ。
アツヤ君は、ただのヒモで。
居場所と食事を欲しがって、ここに住み着いてるだけの、半ノラみたいなペットだった。
ローションを用意したのはオレだ。
初めて抱かれた日の翌日は、貫かれた場所がホント痛くて。事務イスになんか座れたものじゃなくて、仕事にならなかった。
「大橋君もとうとう痔主かね」
上司に大声でそんなこと言われて、無茶苦茶恥ずかしかったの、忘れられない。でも、ホントのことなんて余計に言えないし。
ただ、痔って、座りっぱなしの仕事や立ちっぱなしの仕事の人に多いらしくて。つまり、上司も痔主の1人で。変な風に疑われなくて、それだけは良かった。
良かったけど……もしまた抱かれることがあった時のために、痛くないように、自分で潤滑剤を用意しなきゃって思ったんだ。
また「痔主」ってオフィスで大声で言われたくないし。ささやかな予防のつもりだった。
激安量販店のアダルトコーナーに行くのも、そこでローション買うのも恥ずかしかったけど、買ったものをアツヤ君に見つけられたのが、何より1番恥ずかしかった。
「大橋さーん、何スか、これ?」
黄色いレジ袋からそれを取り出して、ニヤッと笑われて、どうしようって思った。
不用意にその辺に、ぽんと置いちゃったのが悪いんだけど。
「これ、何に使うモノ?」
って。見れば分かるくせに。
「これ使って、気持ちよくして欲しーんですか?」
そんな風に追い詰められて、なぶるように抱かれて以降、もうずっと主導権を握られたままだ。
抱かれたくてアツヤ君を、住まわせてる訳じゃないのに。一度そう思われてしまったら、誤解を解くのは難しかった。
慣れた様子でオレの穴を拓いてく、アツヤ君の指が巧みに中を刺激する。
もう何本目か分かんない、指に絡められたローションが、オレの中でくちゅっといやらしく鳴る。
「ふっ……くっ」
快感に息を詰めると、ふふっと満足そうに笑われた。
「中、好きっスね」
生意気な口調にカッと頬を染めても、反論もできない。
敏感なとこを全部晒して。全部許して。されるがまま、ビクッと体を跳ねさせてたら、感じてるのも欲しがってるのも、もうバレバレなんだろうと思う。
でもオレ、オトナだ、し。
抱いて欲しいとか、好きとか、そんな甘えたセリフ、意地でも言いたくない、から。
「そろそろいーよね?」
そんな言葉とともに指が抜かれても、力を抜いて、じっとしてるしかできない。
初めての時は、貫かれた瞬間に声が出た。痛くて。怖くて。
「あっ、ああああっ!」
悲鳴を上げながら、彼の背中に必死になってしがみついた。
今は力の抜き方も覚えたし、アツヤ君も丁寧に準備してくれるようになったから、悲鳴を上げたりしなくてすむ。
でもやっぱり、硬いモノを入り口に押し当てられると、無意識に息を詰めてしまう。
「泣くほど気持ちよくしてあげるから」
アツヤ君はいつもそう言うけど。
気持ちよくなくてよかった。むしろ、痛いくらい乱暴でもいい。
アツヤ君がしたいなら、セックスなんていくらでもしていいし、したくないならしなくていいから、離れて行かないで欲しかった。
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