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東雲遥は宇宙人だ。
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「おい、これは何だ」
そう俺の弁当を指さす。
「何って…煮物?」
結局、昼休までコイツに付き合わなくてはならなくなった。
俺といつも食べてる奴もコイツのせいで寄ってこない。
ほんと、勘弁して欲しい。
「なに?食べる?」
聞くと少し嬉しそうな顔をするがすぐに戻し
「いや、要らない。俺は俺のがある」
意外とそういう所はあるらしく何も言わずに東雲の弁当を広げる。
パアッと光り輝く音がし弁当箱が開かれる。
中はサンドウィッチに、スコーン、薄切りのポテトが入っていた。
「え」
それが最初にでた言葉だった。
なんてウマそうで、英国的なんだ…。
羨ましげに見ているとパチリと目が合う。
慌てて逸らすと
「なに?食べたい?」
そうかえってきて思わず
「いっ要らない‼︎」
言った後で後悔する。あぁ〜本当はちょう食べたい。
「食べたい顔してるけど?ほらあーん」
目の前でにやにやと東雲が笑う。
ほんと腹立つ。だがほんとにウマそう。
そのまま食欲に負け、東雲の手に握られたサンドウィッチへと口が移動しかぶりつく。
東雲の手にあることも忘れ。
「うっ、うまいよぉおおおおおおおお‼︎」
それに嬉しそうな楽しそうな笑顔をする。
思わずドキっとする。や、だってイケメンに微笑まれたら誰だってねぇ…。
コイツこんな顔もするんだ…。
あまりのウマさに東雲の手をとりそのまま一つペロリと食べる。
そして食べた後のクククという喉で笑った音がしやっと気づく。
どうやら、東雲の手で俺はサンドウィッチを食べていた。
「うぇっ⁉︎」
驚きで声が裏返る。
「結局食べたかったんじゃん、なぁPeewee」
悔しいし…さっきからずっとぴーうぃーとかなんとか言っている。
「ぴーうぃーってなんだよ‼︎」
呆れたように溜息をつく。
「Peeweeな。意味?知りたい?」
わざとらしい言い方に
「知りたいってば‼︎」
それにはいはいと言う。子供扱いだ。
「おちびさんって意味だよ。Peewee」
バカにされてるとは思っていたけどまさかのおちびさんだとは思わなかった。
確かに俺は平均身長よりも低く、東雲は高身長ではあるが
「はぁあああ⁉︎マジお前無いわ‼︎もー嫌い‼︎マジあり得ないから‼︎」
言った後にハッとする。東雲の目は不愉快そうに歪んでいる。
俺が怒っていいはずの立場なのに、その目は何処か寂しげだった。
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