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「ちょっと葵!今日も真緒来てないよっ」
「…せぇな。知るかよ」
アイツがいなくなってから一週間以上が経とうとしていた。
今日も出勤するなりカイからの開口一番がそれ。
「真緒に何したわけ!?風邪引いて面倒見てたから少しは優しく接してるんだって思ってたのにっ」
「…カイ。落ち着けよ」
「だって、絶対葵のせいじゃん!真緒がいなくなったの!」
ホンット、うるせー。
こっちだって連絡の取りようないから探しようがねぇんだよ。
イライラしてつい目の前にあったテーブルを蹴ってしまった。
それに周りがシンとして、カイもようやく黙る。
「おい、どうした?」
「やけにピリピリしてるね」
そんな時、店に入って来たのは高山さんと社長だった。
「ちょうどよかった。葵、事務所に来てくれ」
「…なんでっスか」
今、誰とも話す気しなくてそう言ったけど今度は社長が口を開いた。
「真緒の事だよ」
その一言に俺は社長を見た。
いつもと様子の違う社長に嫌な予感がして。
「…分かりました」
「じゃあ、みんなは準備お願いね」
社長の言葉にまた騒がしくなる。
それを背後に俺は事務所へ向かった。
「座って、葵」
ソファに座るとコーヒーと砂糖、ミルクを出された。
「…アイツ、何かあったんですか」
目の前に座る社長と高山さんを見る。
「居場所が分かった」
!?
「どこに…!」
「真緒の実兄が経営してる買春クラブだ」
……は?
「買春クラブ…?」
「そう。しかも調べてみたらゲイ専門で、スタッフの扱いが酷かったよ。稀に見る違法クラブだね」
「何人か、逃げた子もいるみたいだからな」
なんで、そんなとこにアイツが…
「まさか、働いてんの?」
そう聞いたら高山さんの表情が曇った。
「…それが、無理矢理やらされてるみたいなんだ。実のお兄さんに」
なっ…
驚く俺に社長が続ける。
「しかも何でもありの無法地帯」
「そこまで調べて、なんで連れ戻さなかったんスか!」
場所まで分かってるくせにのこのこ帰ってきたのかよ!
「…お前、いつからそんなに真緒の事、」
「ふふ、心配?」
「そ、そーいうわけじゃっ…ただ教育担当だからっスよ!」
「教育担当ねぇ…」
ニヤニヤしながら呟く社長。
嫌な気分しかしない…
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