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#2-11
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"あ、裕樹おじちゃんだ"今年10歳になるはずの加奈ちゃんが抱きついてくる。
"加奈ちゃんおっきくなったね"えへへと笑う加奈ちゃんは本当に可愛いらしい。
"何しに来たんですか?"智の声があきらかに怒っている。
"智…そんな怒るなって、裕樹くんお前を迎えに来たんだぞ?"
"奏にぃちゃんは黙ってて"いつもは兄に優しく返す智だが今日は違う。
"智にぃと喧嘩したの?"加奈ちゃんがキョトンとしたように俺に聞くと苦笑しながら千秋さんが加奈ちゃんを台所に連れて行く。
"智…ごめんな?さみしかったんだよな"そう言うとピクリと肩が跳ねる。
"そうだよな、もう七ヶ月だから怖いよな"
"わかってるならなんで帰って来ないんですか"智の声が震えている。
"一気に二人も入院したんだよ"
"…患者さんにとったら何人も医者は居ます。でも僕の旦那さんは裕樹さん一人です"ポロポロと涙を流す智をギュと抱き締める。
"そうだよな、智の旦那は俺一人だもんな、ごめんな?蒼大も一人で見なきゃいけないもんな"
"そうですよ…それなのに裕樹さん全然帰って来てくれな…"
"あー、わかったわかった。これからはちゃんと帰ってくるから"智の言葉をさえぎり言う。智は少しは許してくれたのか服の裾をギュとつかんでくる。優しく頭をなでてやる。そういえばこんなことしたのも何日ぶりだろうと考えると本当にここ最近触れていなかった気がする。
"ごめんな?智…"謝っていると上から泣き声がする。きっと蒼大が起きたのだろう。
"…蒼大泣きやましてくれたら許す…"
"分かったよ、じゃあ蒼大見てくる"
"あー、じゃあついでに秋人起こして来てくださいよ"千秋さんが付け加える。
"わかりました"俺は智の機嫌をとりたいので素直に2回にあがった。
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