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まぁ最終母さんの泣き落とし攻撃で負けたのは兄貴の方だが。
「君が帰るなり部屋に閉じ篭るからだよ。被害が炊飯器くらいで終わったの、僕のおかげだからね。だから……」
秋都が顔を俺の耳元へ寄せる。そして
「ご褒美、くれるよね。勿論」と吐息混じりに耳へとそんな言葉を吹き込まれる。
「は?」
ご褒美?
「なんだよご褒美って」
少し身を引きながら真横にいる秋都に問い返す。その俺の問い掛けに、秋都は手に持った皿を俺の後ろにある机の上に滑らせるように置くと、開いた掌を俺の首元へと持っていく。
「そりゃあ勿論、母さんからキッチンを守ったご褒美」
「そんなんで一々褒美なんて出してたらきりねーだろーが」
何言ってんだ、バカか。とくすぐる様に首元に触れていた掌を払い除けると、秋都がいじけた様に唇を尖らせた。
「冷たいなぁ。せっかく二人きりなのにそんな態度、酷いよね」
「せっかくも何も、昨日だって今朝だって二人きりだったろーがよ。毎日毎日人の部屋で寝やがって。大概一人で寝かせろよ」
この間の秋都の入院事件からはや1ヶ月くらいか。あの日から母さんの頼みもあってか寝るときだけは俺と一緒に寝る様になった秋都は、毎晩の様に襲ってくる。
いくら母さん達の部屋から俺の部屋が離れているといえど、いつこの間の鈴兄貴みたいに誰かが部屋に乱入してくるんじゃないかと俺は気が気じゃなかった。
そんな俺とは裏腹にこいつは……。
「昔だってよく二人で寝てたじゃないか」
「小学生の時だろーが。今と昔じゃでかさが違うだろ。狭いんだよシングルの布団に大の男が二人で寝るなんてよ」
「そう? 僕は好きなんだけど。海都性格は冷たいくせに身体は暖かいからさ。いい湯たんぽになるんだよね」
「誰が湯たんぽだ誰が」
好き勝手言いやがってこの野郎。
「大体だな、お前は別に突っ込んで腰ふりゃ終わるだろうが受ける側はしんどいんだぞ。わかってんのか?」
「毎回ちゃんと慣らしてからしてるじゃないか。なのに何かご不満でも?」
ご不満でも、だと? そんなもん大ありに決まってんだろ!
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