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微睡み
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その日の日曜日はリクと2人でだらだらしていた。ソファでテレビを見ていたらリクが俺の肩に頭を乗せながら昼寝をして…。
可愛いとしか言いようがない。猫の姿の時こそいつも可愛いとは思っていたけど、人間の姿になっている時は可愛いのかの字もなかったように思える。
なのに変にドキドキしてる俺がいる。
猫の時と同じ髪色を優しく撫でれば体を捩りながら俺に擦り寄ってくる様子は猫のリクそのままだった。
ずーっと一緒にいるから当たり前みたくなってたけど、俺が帰ればリクがいて。リクがいるから俺は家に帰って来てて。
いつもいつも、
「ありがとな」
そっとリクの頭にキスを落とした。
「俺明日も会社だから寝るなー」
「待って」
「ん?」
「俺も一緒に寝たい」
「なっ……」
「いやいや、変な事はしないって。明日会社だもんね?」
「ばか!当たり前だ!」
顔を不自然に赤くすればリクはくすくすと笑って俺の肩をポンと叩く。
昨日の今日だし……。
変に意識してしまってる自分が恥ずかしい。
2人でベッドに入ればリクが俺に抱き付いてくる。
リクの方がいくらか大きいせいか、俺は割と腕の中に収まってしまう。
「宙ー」
「ん?なんだよ」
「好き」
「……はいはい」
「はいはいってなー、宙も言ってよ」
「ん〜〜?」
次第に眠気が襲ってきて意識がハッキリしてこなくなる。
リクの腕の中は暖かくて心地いい。
ゆっくりと瞼が下がっていく中で、
「好き…だよ…」
その言葉を最後にすっと眠りに落ちてしまった。
だから、リクが
「宙……大好き……ありがと」
ふわりと優しく微笑みながら俺に言った言葉は全く聞こえなかった。
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