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真っ先に
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手術室のランプが消え、中から左目に真っ白な包帯を巻かれた或兎が運ばれてきた。そして、病室へと運ばれていく或兎の後ろを僕も付いて行く。面会時間なんて、知らない。今は、或兎が起きるまでずっと傍に居たいんだ。ベッドの上で静かに眠る或兎を椅子に座って眺める。
清香さんと浩二さんは一旦家に帰った。また、明日の朝来るらしい。帰り際、清香さんがニヤニヤしてたけど、あえて見なかったことにしとく。
...早く、早く起きて。気づいた事を今すぐに言いたいんだ。
「...或兎、早く起きて。」
「...起きても、目開けれない。」
「...あ、起きてた。」
「...真っ暗。強気になってたけど、伊織の顔...もぅッ、見れなッ。」
「あのね、或兎に伝えたい事があるんだ。」
「ひぐっ、暗いぃぃぃッ。」
「...僕のせいでごめん。1つだけ、言っても良い?」
「うぇッ、く、怖いよぉっ。」
「...ちょっと、黙って。」
そう言って、僕は手で或兎の口を押えた。
「僕...或兎の事好きだったみたいなんだ。ずっと...気づかなかっただけで。さっき、色んな事考えて、或兎の事ばっかり...で、何で僕は溺れそうになった時、自分の命よりも或兎の命を優先したのかとか、中学の時急に或兎が話してくれなくて寂しかったのかとか...考えてたら、答えは1つしかなかったんだ。僕も...ずっと或兎の事だ好きだったんだ。だから、これから先も或兎の傍に居ても良い?」
「...ほん、と?」
「好き。或兎の事が...。」
「嘘...じゃなくて?」
「ん。ごめん。もっと早くに気づけなくて。」
「...両...想い?」
「うん。両想い。」
「夢じゃなくて?」
「もちろん、現実。」
「誰かに言われてとかじゃなくて?」
「うん。自分で...って、いい加減信じて。」
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