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1話「ぶつけた」
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「ん・・・」
伸ばした手。
触れるのは暖かい温もり。
ああ、よかった。
『宮崎』
よかった、お前、戻って来てくれたんだ。
なあ、ごめんな。
俺、お前のこと全然考えてなくて、本当に、ごめんな。
「・・ち、だ」
ごめん。ごめん。
だから、頼むから、俺を、
「ゆる・・し、て」
「ちょっと大輝」
「・・・」
「もう・・だから昨日ヤろって言ったのに・・溜まってんでしょ?」
もにっと、柔らかい感触。
右手に収まる暖かくて、妙にやわっこいもちっとしたそれ。
おかしいな。
アイツの体はもっとガリガリ・・で・・
ん?
っつうか、声も何か、高いような ?
「大輝、触るなら、ちゃんと触って・・ね、朝でもいいよ、私」
アイツって、俺のこと大輝って呼んでたか?
「私・・大輝なら、初めて、あげるから、」
は じ め て ?
指を動かせば、手におさまるその丸いものがぐにゃぐにゃと形を変える。
はて、男の体にこんなに柔らかいものがついていたかどうか。
そして何より、私という、声・・・
「・・ぇ・・?」
薄めを開いて数秒。
瞬きを繰り返すこと数回。
「大輝、キスして・・?」
「・・・」
目の前に迫る唇と、眼前にある俺の手が掴んだままの白い胸。
脱がされかけた服。
外されたベルト。
そして、香水の匂い。
「・・・ッッッ!!!!」
ああ、またか。
「ぎゃぁあああぁあぁぁあああああああああああああ!!!!!」
午前10時。
自室に響き渡る自分の声。
ベッドサイドから、一気に壁際まで後ずさりすると、ゴンッと頭をぶつけた。
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