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優しい人
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「やっと笑った」
そいつのことがわからなかった。
やっと笑った?
それって俺のこと笑わせようと、元気づけようとしてくれたのか?
「我慢せんでええと思う…千鶴はさ、もっと甘えて?泣いていいねんで?」
その言葉は俺には優しすぎて、涙が溢れた。
いつのまにか八城の腕の中で俺はワンワン泣いていた。
本気でこいつのこと信用してるわけない。
けどその優しさに甘えることにした。
「ごめん、取り乱した…」
「そんな謝らんでも。俺も似たような家やったし、わかるからな」
「似たような…?」
「うん。まぁ俺の場合貧乏やねんけどな。小さい頃は貧乏なりに楽しかったわ。けど小学校高学年くらいからかな?親父がただでさえ貧乏やのに賭け事にハマってな。そこから家庭崩壊、母親は自殺してそのあと親父も行方くらましたわ。まぁ子供の俺からしたら最低な親と離れられたんはいいかもしれんけどなんも残さんと、ってのはやめてほしいわ。しかも親駆け落ちしたから頼れる人なんておらんかったし。まぁ俺顔もイケメンやし、背も高いから年齢詐欺して働いたわホストで」
ケラケラと笑いながら喋ってるけど、壮絶な過去だった。
「まぁだからな。でも俺千鶴と恋人になりたいねんな。だからさ、もし俺がお前は親父に犯されたことがあるってみんなに言いふらしたらどうなるかなぁ?」
「はぁ?」
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