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素直になりたい*
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俺はこんな自分が大っ嫌いだ。
ただでさえ男というだけで不利なのに、いつも可愛げのないことばかり言ってしまう。
他の奴には別にそうでもないんだけど、航太にだけはいつも喧嘩腰になっちゃうんだよね。
捻くれ者で、素直じゃなくて、可愛くもない。
俺が唯一自慢できるのなんてこの人より優れた容姿だけ。
なんということだ。
ダメダメじゃねーか俺。
「あ、小さい頃よく夏希と行った駄菓子屋だ。懐かしー。ちょっと寄っていこうぜ。」
航太が俺にニコッと笑いかける。俺の心臓はそれだけで高鳴った。
懐かしいな、ここの駄菓子屋。
航太とよく小学生のころ来てたっけ。
久しぶりに俺も行きたいな……。
でも、バカな俺の口からは正反対の言葉が出てしまう。
「はっ。ガキじゃねーんだから。一人で行けばいいだろ。」
なんてことを言うんだ俺!!バカ!!俺のバカ!!
ああ、素直になりたい………。
「えーいいじゃん。ちょっとだけだからさ。な?」
航太が子どもをあやすような口調で言う。
俺はちょっとムッとなりつつも、もう一度返事をするチャンスを与えられ今度はコクリと頷いた。
口で何か言おうとすると、またいらないこと言いそうだし。
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