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海斗side.
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「え?」
驚いた顔をした昴が俺を見る。
その表情にハッとした。
昴はあの日のことも何もかも忘れてるんだから、こんなことを聞いても無駄だ。
「っあ、の・・今読んでる小説の話!」
慌ててそう弁解すれば、昴は「あぁ」と納得したようだった。
そして、口角を上げて。
「海斗って小説読むんだね」
そんなことを言った。
失礼な奴だ。
「読むわ小説くらい!」
「漫画とかしか読まないのかと思ってたよ」
「失礼だな!」
「うん、ごめん」
ぐ、と言葉に詰まる。謝られたら何も言えない。
・・昴。
お前、なんて幸せそうに笑ってんだよ。
「それで、なんだっけ」
「っぇ・・・あ、す、好きなのになんで死のうと・・し、たのかって・・・」
「解るよ」
「・・え・・・?」
「自分が死んで、その人を閉じ込めたかったんだ」
サァッと風が吹く。
俺が肌に感じている風の感触は、昴も感じているんだ。
「閉じ、込めたかった?」
「その人達は、両想いなの?」
「・・・・うん」
好きだと言って、好きだと言われた。
俺らは絶対に、”両想い”だった。
「正解だよ」
「え、」
「僕の答えが、正解」
あぁ、どうしよう。
「自分が死んだら、その人を自分の世界に閉じ込めておけるから」
泣きそうだ。
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