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藤間side.
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あれはきっと、偶然じゃなくて必然だった。
男のくせに細い腰。
華奢に見えて実は筋肉もほどよくついていて、身長も高い。
足も無駄に長いし、おまけにあの整った顔。
男の目から見たらただのムカつく奴だけど、俺は違う。
俺はゲイだから。
男しか好きになれないから、最初からそういう目で見れた。
あぁ、なんて。
なんて、綺麗なんだろうって。
そう、思った。
ただの性欲処理具としか思ってなかった。
早坂の、あの綺麗な顔を歪ませてみたいって。
あの細い腰を抱き締めたいって。
俺の手から与えられる快感に、泣いて善がる姿が見たいって。
そうとしか思ってなかった。
いや、もしかしたら、その気持ちに気付かなかっただけかもしれないけれど。
「お前が生徒会に?」
「あぁ」
1年の頃。
今と変わらず荒れてたけど、俺は生徒会に入るって決めた。
そんな俺を、担任は訝しげに見ていた。
(まぁ、当然だよな)
入学してからもほとんど学校に行かなかった。
言ったとしても遅刻、しかも授業中は寝るか途中で抜け出すか。
ピアスの数も増やしたし、タバコも酒も平気でやった。
俺自身、そんなに悪いことをしてるとは思ってないけど。
俺がやってることは、世間の目から見たら悪いことなんだろう。
そんな俺が生徒会に入るなんて言い出したら、そりゃあ先生だって不審がる。
俺が何か企んでるんじゃ、とか、何かやらかすんじゃないか、とか。
べつに何も企んでないし何かやらかすつもりもないが、信用の無さは承知の上だ。
「いいだろ。人がちょっと真面目になろうとしてんのに何勘繰ってんの?教師は人を疑うことしか知らないんですかー?」
「べつに疑ってなどいない。お前が生徒会に入ってちゃんとやれるのか心配して、」
「だからそれ疑ってんじゃん。変な言い訳してんじゃねぇよめんどくせぇ」
俺はいつも一言多い。
今だってわざと先生をキレさせようとしてるようなもんだ。
だけど先生はもうすでに慣れているのか、はたまたイラついてはいるが面倒なことにならないように抑えているか。
多分後者だろう。俺なんかにまともに返しても問題しか起こらないって、本能的にわかってるんだと思う。
中々了承を下さない先生に俺が苛々してるのが伝わったのか、先生は”快く”入会希望書に判子を押した。
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