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王子様の噂
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昔々、あるところに、腐敗の進んだ王国がありました。以前は神と精霊に祈りを捧げる、敬虔で健全な国でした。しかし、年月が経つにつれ、神や精霊を信じる人が少なくなってしまったのです。
王様はそんな現状を、見て見ぬ振りです。
貴族たちは好き勝手し放題で、お金を際限なく使ったり、民衆から税金をたくさんとったり、気に入った女の人や子供を拐いました。
そして、民衆たちには、次第に不満が溜まっていきました。このままでは、いずれ暴動が起きるかもしれません。
さて。
この国には、王子様が3人います。
長男は漆黒の髪と銀の瞳で、一見鋭利で冷たい印象を与えますが、外交では巧みな話術を発揮し、国を支えています。いずれ王様になる人です。欲しいものを得るためならば、どんなことでもします。
次男は茶の髪で、深い青の瞳です。明るく人懐っこくて、王宮内でも人気者です。面白いことや楽しいことが大好きで、そのためならば努力を惜しみません。時々暴走して、人の話を聞かないことがあるようです。
三男は金色の髪で、銀の瞳です。政治に興味がありません。むしろ、王子になんて生まれなきゃ良かった、と思っています。読書が好きで、研究熱心。いつか外国に留学したいと考えています。
…そして、実は知られていない4人目の王子様がいるという、まことしやかに囁かれる噂。銀の髪と深い青の瞳を持ち、他者を魅了するような危うい風貌なんだとか。
その王子様は、大切に大切に、鍵のかかった籠の中に捕らわれて、今日も悲しげにないているのかもしれません。
…なんてね。
【第二部 巫女と王子様】
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