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39.いま知る真実!(注・女性含む)
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ーーーー
会うことになった休みの日当日ー
……
「あ、枷くん!こっちこっち〜」
「どうも」
カタン、
「枷くん何頼む?コーヒー?紅茶?」
「あぁ、そういうのは良いんで。ちょっと話してすぐ帰ります」
「あれ、嫌われてるな〜私」
「そんなことないですよ。ただ、先輩1人を家にするのは少し心配で」
「あはは、枷くんはまるでまだ子どもの娘でも家に置いてきたみたいな言い方するんだね。でも大丈夫でしょ、あの人一応良いとしした大人なんだししかも男なんだよ?」
「大人だからって男だからって、何も心配する必要ないなんて考えは俺にはありません」
「心配症なんだねぇ」
「そう思ってくれて構いません」
「…枷くんって変だよね。」
「ーは?」
「そんな綺麗な顔してあの人が好きなんて、あの人のことそんなに大事にしてるなんて、何か変な感じだわ」
「…それはあなたも同じでは。そんな容姿して何故先輩ですか、疑問でしかありませんね」
「あら、あの人のこと好きなあなたなら当然分かるものかと思ってたけど。違った?」
「……」
「でも枷くんって、やっぱりイケメンだよね〜。さっき店入った途端、女の子が皆振り向くっていうか、最早芸能人並みっていうか、目の当たりにしてビックリしちゃったわ」
「それはありがとうございます」
「女の子興味ないの?」
「…俺は先輩一筋です」
「て、何でそんなに肩に力入れてんの。私別にあの人をあなたから奪おうとなんて思ってないわよ?」
「そうですか。では何でわざわざ会おうなんて言ったんですか、俺は宣戦布告をされたのかと思っていましたが違いましたか」
「あはは、何言ってんのそれはないよ〜!言ったでしょ?私もうカレいるし、あの人のことは本当にもういいし、それにもしあの人に何かしたら君に私殺されそうな気がするんだけど…それは気のせいかな?」
「ーあはははははは。気のせいじゃないですか?俺はそんな野蛮なことしませんよ。そんなふうに見えますか?酷いですね」
「見た目は見えないけど中身はドロドロしてるタイプでしょ?」
「そんなことありませんよ心外だな」
「私は騙されないよ、周りの女の子たちと同じにしないでね。私そういう上辺の笑顔とか悪いけどすぐ見抜いちゃうの」
「へぇ…。そうなんですか。それはやりにくい」
「そうやってあの人のことも手に入れたの?」
「先輩を手に入れたのは力づくです」
「男じゃないとできないことね。」
「何ですか卑怯ですか?」
「そんなこと言ってないわ、でも少しそうかもね」
「俺は勝手に離婚して先輩泣かせて出て行った人にそんなこと言われたくありませんね」
「あら、私のことが憎い?」
「いえ別にただ先輩のことを傷つけておいて平然とまた現れることが俺は考えられません先輩のことまた泣かす気ですか先輩のことをこれ以上振り回すのはやめてください、迷惑です」
「それは君には関係なくないかな。私とあの人の問題でしょ第三者に口挟まれてもこっちの方がなんだって話になるわ君の嫉妬をぶつけられても私としても迷惑でしかないかな」
「関係ないですか、ですが今は俺が先輩の恋人ですあなたじゃない、他人にむやみに先輩に近づいて欲しくないんですよ俺は人より何倍も独占欲強いんですだからもう先輩の前に二度と現れないで下さい」
「ー君さ、さっきも言ったけど私はあの人とどうこうなるつもりはもうないの、先日に家に行ったのは本当に生死の確認で、これから近づくつもりなんてないし私はただ君と話がしたくて」
「だったら何で俺に喧嘩売るようなことばかり言うんですか俺は売られた喧嘩は買う派ですよ中途半端なやり取りはあまり好きではありません」
「君はやっぱりというかなんと言うか本当怖い子だよね、そんな顔して人をスッと貶めようとしてくるんだね。周りから言われないの?猫被ってるとかって」
「言われませんね、言うのは先輩くらいですね。他の人に言われたことは全くありません俺は親しい人にしか素顔は見せません」
「あぁ皆怖くて言えないのか、あぁそれとも皆君の本性知らないのかあぁなるほど君の周りの人たちは相当鈍いか相当臆病者なんだねぇ」
「何を言われても結構です。俺は先輩が手に入れば他にはもう何もいりません、逆を言えば、他のものは何もいりませんが先輩だけは絶対にいるということです」
「まるで物みたいに言うのね」
「先輩は俺のものです」
「そんなに拘束してたらいつか逃げられるわよ」
「逃げたら監禁します」
「君ってアレでしょ?好き過ぎてストーカーになるタイプでしょ?今流行ってるんだよね〜カッコ良くてもそういうのする人って」
「そうですか」
「ね、家とか事前に知ってたりしたの?それはないよね、あははそれはあるわけな」
「知ってました。先輩結婚してるかどうか分からなかったし教えてくれなかったので家調べて偵察に少し行った方が早いと思って。そしたらあなたと家のドア付近にいるのが見えて結婚していることをその時知りました」
「…君…さぁ、…普通そこまでする?…」
「普通とか普通じゃないとか、そういうのはどうでもいいです。でも自分でも気づかない内に動いていたというか、気づいたらそういう行動してる自分がいたので」
「そんなにあの人のこと好きなの?」
「他のどんなものよりも一番大切です」
「…何でなの?」
「あなたに話す義理はないはずです」
「冷たいんだねぇ枷くんって」
「あなたこそ先輩の何が良かったんですか、というか、何で勝手に離婚なんかするんです。まあ俺としてはラッキーな展開でしたからお礼を言ってもいいくらいですが。ですが、それとこれは別です。先輩がそれでどれだけの量のお酒を飲んでたかあなた知ってるんですか、毎日毎日、あなた知らないんでしょ?」
「ヤケ酒したのか〜」
「そんな簡単に平然としてよく言えますね、ー俺はあなたが許せない、反省の欠片もなく平気で先輩と話すあなたが俺は許せません。先輩のこと物みたいにして扱って遊んでるのは、本当はあなたなんじゃないんでー」
「…何で私が反省するの?」
「ー。……は?」
「私は、何も間違ったことはしてないわ。前に会った時は、あの人の子どもっぽさとか、気まぐれなところに嫌気が差して別れたとか言ったけど、…本当はそうじゃない」
「…え?」
「…分かっちゃうんだよね、私」
「…………はい?」
「あの人が、私の方に気持ち向いてないなあ〜とかって、そういうの。私すぐ、分かっちゃうんだよね〜」
「…は?」
「ーあの人はさ、ほら、嘘つけないからさ、分かりやすいっていうのもあるし、私が人よりもすごく敏感なところもあるし、だから私気づいちゃったっていうか。あ〜この人、私のことじゃなくて全然違う人のこと考えてるな〜…って」
「…先輩が浮気してたとでも言うんですか?」
「あぁ、それは違くて、そうじゃなくて、…ただ、あの人本当無意識だから、自分でも気づいてなかったんだろうけど、体はここにあるのに気持ちだけが全然ここになかったんだよね、なんか。そういうの分かる?」
「…」
「私は、だから嫌だったし、これ以上私のこと想ってもないのにいてほしくなかったしとか、そういうのもあって一方的にこっちから離婚してやって家まで出てった、話し合ったとしてもあの人無自覚なとこあるから何で何でってそればっかりだと思った、私の方からわざわざ気持ちが違う人に向いてるだなんて、そんなこと辛すぎて…言えるはずなかったから」
「……あの、待ってください…。言ってる意味がよく……先輩があなたではなく他の人に気持ちが傾いていたと…そう言うんですか?」
「ええ、そうよ」
「…そんな話初耳ですけど」
「あの人もそんなこと一々言わないでしょ」
「いや、…そうじゃなくて、先輩にそういった人がいるような感じは当時からは全く読み取れませんでしたけど」
「君はそういうの絶対読み取れるって思ってるんだね」
「まあ得意な方ではあったので」
「でも分からなかったんだね」
「……何が言いたいんですか。」
「ーあ〜っあとね、男作って出てったってのは嘘だからね。あれはただの私の見栄っ張りだから」
「…は?」
「あ、でも今は本当に彼氏いるし、全然大丈夫。そんな怖い顔しないで。まあ、あの人のことは確かに正直まだ好きだけど」
「………」
「…君って、好きなものにはとことん尽くすけど、嫌いなものには本当容赦ない人だよねそんなに睨む必要ないでしょ怖いなぁ」
「あなたが先輩に何かしたら、俺本当許しませんよ」
「あ〜、ははは。そんなの無理無理。もう分かってるから」
「……は?」
「ー安心してよ。枷くん。私はもう本当にあの人には何もしないし、近づかないから」
「…はぁ」
「こっちが想ってるだけじゃ、向こうの想いがなかったら、それは全然意味ないしさ」
「……はぁ。まあ、…俺としてはそれは良かったでー」
「私は君に負けたんだね」
……
「ーえ?」
「…あの人がさ、いっつも家帰ってから、誰の、何の話してたか、君知ってる?」
「……え?…………いや…………分かりませ」
「ーー君の話だよ、枷くん」
「ー」
……
「…眉間にしわ寄せて、帰って第一声が、…いっつも枷くんのこと」
「…………………え?」
「枷が枷がって…、悪口ばっかだったから、最初は面倒な後輩につきまとわれてるんだな〜くらいにしか思ってなかったけど、…でもそれは違った。あの人…、君の話する時すごくいきいきしてるんだもん」
「…え?」
「私と話しても、素っ気ないのに、君の話すると、止まらなくて、それは君のことが嫌いだからじゃなかった、悪口だったけど、でもそれは私からするとノロケみたいなもんだった」
「………」
「…私にはわかるの。あの人は、自覚なんて無く、そういうことするから。後輩への単なる思いとか、嫌悪とか、そういうのじゃなかった。その言動の意味は全部、その反対。」
「え………」
「……………好きの、…方だった」
………
「思い込みじゃないよ。本当に分かるんだよ、私。だって私、鋭いんだから」
「…………」
「意味、分かるよね?」
「……え?」
「あの人が、私の方に気持ち向いてなかったことと、いつも君の悪口ばかり言ってたこと。その意味、分かるよね?」
「…………ー」
「……いつからか知らないけど、…あの人ずっと君のこと…」
「ーーちょ、ちょっと、…待ってください、」
「……なに?」
「……待って、待って……、…俺は、先輩のことがずっと好きで……、でも、あの人は俺のことなんて見向きもしないで、」
「そういう人じゃん」
「………え?」
「…本人には見せないんだよ、あの人は…。…私の前だからそういうことを言えた、……素直じゃないあの人のことなんだから、それくらい分かるでしょ……?」
「……」
「…自覚ないだろうから、言っても意味ないと思うけどね」
「……」
「……でも、そうだから。」
「…ー」
「…あの人、私と別れる前から、君のこと、ずっと、
ーーー好きだったよ」
………
ーーガチャッ!
「わーーーーっっ!!!」
「………はぁ、はぁ…」
「な、何だよ枷お前、走って帰ってきたの…?」
「…は、はぁ、はぁ……」
「い、今…ちょっと洗剤が切れて、だ、だから…買いに行こうとちょうどここにいてさっ、」
「………はぁ、…」
「…あっ、べ、別に、お、お前らのとこ覗きに行こう〜っとか、そうゆんじゃないからっっ!全然!!はははっ、全然、そうゆんじゃないし、うん、ここにいたのは、洗剤を買いに行こうとしてただけだし、うんっ、まじ違うっ、全然違うっ、はははっ」
「…………」
「…つ、つーか今日さ、…あいつと会ったんだろ、何の話してたんだよ、」
「………」
「……ま、まさかさ、…本当に、誘われたり、とか……し、してないよな…?う、ううう疑ってるわけじゃないけどっ、てゆうかお前ホモだけどっ!な、何にも…っ、なかったんだよな……?、」
「……………」
「………え…?……何だよその無言……」
「………………」
「……な、何だよ………。お前ら…もしかして俺ほっぽり投げて、2人で何かしてた」
「そんなわけないでしょう」
「……ほ…っ。…なんだ、……良かった」
「…………」
「…、な、何だよ…っ、…何だよその目は、やんのかよお前〜」
「………」
「……、……な、何なんだよ……、」
「…………」
「……や、やめろって………。……そんな見られたら…………恥ずか」
ーぐいっ
「……ー」
「…………………先輩………」
「………な、何をお前は……げ、玄関先で、抱き締めて………」
「…………先輩、…………好き」
「…、………」
「………大好き…。……ずっと、ずっと、……好きでしたよ………あなたのことが……」
「……、…な、はあ…っ?、…きゅ、急に何だよお前は…っっ!?、」
「……………」
「………な、なんだよ…っ?、」
「…………いえ……別に……。……そう、言いたかっただけです……」
「……ー。……な、何だよそれ…」
「…………」
「………、……何なんだよ……お前は…………意味、わかんね……」
ぎゅううぅうぅぅ
「…っ、ちょっ………、」
佐山の体をぎゅうっと、強く抱き締めて、それから枷はわけも分からず身を委ねる佐山を見て、ほんの少しだけ笑った。
ーー私と別れる前から、ずっと
枷は佐山の腰を引き寄せ、佐山の顎を手でくいっと上に上げてから、その少しだけ開いた口に自らの唇を当てたー。
ー無自覚なそれは、時に人を傷つけ、また時に人を喜ばせる。
彼を見て、枷はただ1人…そう思うのだったーー
…でも、この人は、先輩は、本当は俺のことをずっと………ー
枷は、途端に無我夢中で佐山の唇に触れた。
「…ん、…んんんっ、……か、せ…」
こちらを見上げ、涙を溜める佐山を見て、枷はまた少しだけ笑った。
ー玄関先で、佐山は唇に貪るように何度も押し当てられるキスに、抵抗もできないまま、そのまま枷によって息をだんだんと乱していき、佐山はその後、枷の激しく求められるそれに抗うこともできず、その身をいつまでも震わせ、涙するのであった。
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