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息を飲む
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アキラからの執拗な責めに、いつしか意識を手放していた俺は、次に目を覚ますとすぐに体の変調に気付く。
アキラがきれいにしてくれたのだろう。表面上は、アキラとの行為の痕跡を残しておらず、着ていた服も変えられていた。
だが、受けたダメージは変えようがなく、どうやらかなり高い熱が出ているようだった。
昨夜暖房も入れず、薄着のままで横になっていたのも原因の一つだろう。そういえば、起きたときに体中の関節が痛んでいたっけ。
今は、アキラから受けた傷も痛み、全身を痛みが覆っているためか、どこが痛いのかもわからなくなっていた。
自分の部屋には水も熱を冷ますための道具もない。悲鳴を上げる体を引きずり、リビングへと向かった。
リビングに入ると、いないと思っていたアキラがいて、知らぬうちにヒュッと、音を立てて息を飲んでしまう。
「リョウ・・・」
アキラが俺に気づいてこちらに近づいてくる。震えそうになるのを必死でこらえた。
アキラに無言で抱きしめられる。
嬉しいはずなのに、震える体を止められなかった。
昨日受けた暴力が、言い様のない恐怖を俺に植え付けたようだった。
俺の震えに気づいたアキラが、顔をしかめながら体を離す。
「そんなに、・・・嫌かよ」
チガウ、と言いたかったが熱が上がってきたのか、目の前が霞んでいき、そのまま崩れ落ちる。意識を失う前に見たのは、アキラの焦った顔だった。
*****
目を覚ますと、アキラの不安げな顔が目に飛び込む。
こんなアキラの顔を見るのは、何度目だろう。
「・・・嫌で、震えたわけじゃないよ」
まだ熱があるのだろう、舌がもつれる。
それでも、伝えたかった。
「まだ熱あるから、寝てろ」
アキラの大きい手で瞼を塞がれる。
「み、ず、ほしい・・・」
甘えるように言ってみる。また、前のように口移ししてもらえるか、と下心もあったが、ストローを差し出され、思っていた以上に落胆した。
カラカラに乾いた喉では、たくさんの水を飲み込むことはできず、軽く口の中を潤す。
何度かそれを繰り返し、ようやく喉を潤すことができた。
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