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サイドストーリー : 放課後の教室 ※
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「……ふぅ」
委員の仕事が終わり、教室に戻って一息ついた。
休憩時間は瀬良への説教、放課後は委員会と先生への報告、加えて、今日は雑用まで頼まれた。壁についた血の拭き取りだ。
きっと、誰かが腹いせに殴ったんだろう。拳が割れるくらい強く殴るなんてよほど苛立っていたに違いない。痛くはなかったんだろうか。
心配ではあるが、なんにせよ、僕に迷惑がかからない程度にしてほしいと思う。担任も担任だ。たまたま僕がその近くを通ったからって僕に任せないでほしい。
美化委員にやらせればいいのに…
そうは思いながらも、結局はピカピカになるまで掃除してやったけど。
「……………疲れた…………」
瀬良といい、汐音といい、このクラスは問題児が多過ぎる。
汐音は仕方がないところがあるのはわかってるつもりだ。担任から事情は聞いてるし、でも、だからと言って本音は手を抜きたくはないのだが。
瀬良は根本から叩き直さなければならない。副委員長という立場にいながらなにをやってるんだ。つい今日、あれほど言って聞かせたにもかかわらず…少しは反省して委員会にも顔を出すかと思ったら来なかったからな。どれだけ面倒事を僕に押しつければ気が済むんだ。
椅子に座り後ろにもたれかかる。目を閉じると一気に眠気が襲ってきてそのままゆっくりと意識を手放していく──…
「お疲れ、すーわちん♪」
「うわああああッ!?」
ガターン!と椅子ごと思い切りひっくり返った。
突如目の前に現れたそいつに眠気なんてものは当然吹っ飛んだ。
「あ……あ……南っ!?」
「ひでーな。そんな驚くことないだろ?
すわちんのことずっと待ってたのにさ」
「!!」
「あれ、赤くなった?」
「……馬鹿じゃないんですか」
南 燈士。隣のクラス、家も隣同士で小学校の頃からの幼馴染み。
みんなが僕のことを「委員長」と呼ぶ中、ただ一人「すわちん」と呼ぶ男だ。ちなみに、僕の本名は諏訪 真(スワ マコト)。
そして──
「ちょ、っと…!なにしようとしてるんですか」
「なにって、すわちん補給だけど」
「意味がわからないんですけど…!」
膝を折り近づいてきた顔をぐーっと押し返す。腰に手を回されガッチリと掴まれてしまっているので、いくら体を引けども逃げられない。
南の腕の中でじたじたと抵抗する。
「ぐ……、このっ…!」
「…逃げないでよ、すわちん」
ドクン、と全身に響くほど心臓が重く鳴る。
『逃げないで』
その一言が鎖のように僕を縛り思考を鈍らせる。耳に息がかかるほど近くでそんなことを言われたらひとたまりもない。甘い痺れが鼓膜を伝い、僅かに残った抵抗力を奪っていく。
「……ん………ぁ、ふ……っ」
唇を塞がれ、貪るようなキスに頭が痺れる。鼻呼吸だけでは足りない酸素を求めて口を開けば、容赦なく南の舌が入り込んできて咥内を犯す。クチュ、クチュという水音が静かな教室に響いて恥ずかしい。耳を塞いでしまいたいのに、体が思うように動かせない。
僕はただ、南に縋りつくことしかできなかった。
「──はぁッ…!」
「…すわちん、泣き顔もかーわいい」
「も、いい加減に…学校ではやめろって言ってるのに……。こんなとこ、誰かに見られたら…」
「じゃあ、学校じゃなかったらいいの?」
「う……ぁ、いや……」
「ふふ、真っ赤になっちゃって。かわいい。
さっさとその"委員長仮面"脱いじゃえばいいのに」
「……く、そ………っ、ん……」
「好きだよ、すわちん」
「ばか、ばか…っ。…ふ、ぅ……っ、おれ、は…好きじゃな…っ」
「そういう遠まわしな態度も好きだよ。もっと虐めたくなる」
「…っく……普段はへたれのくせに……」
「すわちんが煽るからスイッチ入るんじゃん。…ねぇ、学校と家、どっちでするのがいい?」
「……………」
「ほらほら。決めないなら今ここで手ぇ出すけど、いいの?」
「んっ……!」
そう言って南は布越しに中心のそれをやわやわと触ってきた。緩い刺激に堪らず腰が浮きそうになるのを必死に理性で抑えつける。
学校でこんなことして誰かに見られるのだけはごめんだっ…!
「………い………ぅ…………」
「んー? なぁに、すわちん」
「っ、いえのが……いいっ…」
「すわちんはここ、こんなに膨らまして家まで我慢できるの?」
「お、おまえがやったんだろ…っ」
「ふふっ、そーだね」
余裕そうに笑ってる南に涙目になりながら責める。なのに全然効果はなくて、悔しくて南の襟を掴み、思い切り自身の方へ引き寄せた。
力加減を考えてなかったから唇を合わせた時、互いの歯がぶつかり合いガチッ、と音が鳴った。
「…っ……責任、とれよ……」
「……りょーかいス」
──何度突っぱねても、嫌味を言っても、昔からそう。こいつは逃げない。
だから今日も流される…
「…まぁ、いたんだけどね。
"誰かさん"」
汐音に散々蹴飛ばされた後、たまたま寄った教室前でこんな光景に遭遇することになるとは。委員長の新たな一面の発見に加えて美味しい展開だ。
これは密かな楽しみとして、今日あたしがいたことは委員長には内緒にしておこう。
そう決めてウキウキ気分で校舎を出た。
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