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通じ合ったら何があるの。
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さっきあったことは、本当のことなんだろうか、僕の夢なんじゃないのかな…そうは思ってみても、口角が自然に上がってしまう。
それを見た大輝くんがすごく茶化してくる。
「ははっ!藍〜、にやにやしすぎ!」
「もう、やめてよ…」
放課後が楽しみすぎて、授業がとても長く感じる。
早く終わらないかなあ…
先生は今頃どう思ってるのかな。
どんな気持ちかな。
本当に僕のこと…好きなのかな?
さっきのはやっぱり間違いだったとか言われたらどうしよう。
僕の悪い癖、1度こういうことを考え出すと止まらなくなる。
不安で不安で仕方なくなる。
好きだと言われても、こういう気持ちって、なくならないんだな…
嫌だと思うことが先にあるんだと考えると、急に時間の進みが早くなる気がする。
もう帰りのHR、いつもの藤原先生。
「明日は実習があるようなので、実習着を忘れずに持って来てくださいね。それでは、さようなら。」
相変わらず、綺麗な顔でニコッと笑う。
まるでさっきのことなんて、知らないみたいに。
放課後だ。
資料室行かなきゃ。
最初はあんなに楽しみだったのに、今は少し、行きたくない。
何を言われるんだろう。
資料室の前まで来た。
「ふぅ…」
深呼吸してドアをノックする。
コンコンッ
ガチャ
「はい?どなたでし…」
「来ました…うわっ!」
先生は急に僕の腕を引っ張って、ドアを閉めた。急のことに目を瞑ってしまって、開けたら、目の前が真っ暗だった。
それどころか少し苦しくて、暖かい。
先生に、抱きしめられてる…?
「先…生……?」
「ん?」
「…どうしたんですか?」
僕の心臓の音がうるさい。
「別に、なんでも。」
そう言って先生は僕から離れた。
あ…離れちゃった……
椅子に座ったら、先生が話し始めた。
「あのさ、ほんとに、俺なんかで良いの?」
「……え?」
先生、そんなこと気にしてたのかな…
良かった。ほんとは好きじゃないとかじゃなくて…
「俺…お前の気持ち気づかなくて、色々、傷つけた…」
先生は言葉を選んでるみたいに、ゆっくり話す。
「僕、それはもう、気にしません。」
先生が僕を好きだと言ってくれるのなら。
もう、その必要はないかな…
「それより、先生、僕のどこが好きなんですか?」
これだけはどうしても聞きたかった。
「だってお前…最初はずっと無表情だったくせに、勉強教えだしたあたりから笑うようになったろ、その笑顔とかさ、かわいいとは、ずっと思ってたよ。」
「かわいい?僕が?」
そんなわけないけど、顔が赤くなるのがわかる。
「そうそう。」
先生が少し笑ってる。
「まあ、気づいたのさっきだけどな。」
「さっき!?」
「うん、さっき。俺さ、確かに遊び人だけど、恋とかしたことないから。よく、わかんないんだ、愛とか恋とか。」
先生は、どうしてそんな悲しそうな顔して笑うんだろう。
でもそれって、僕が初恋ってこと…?
嬉しすぎる、どうしよう。
「そうなんですか…」
「うん、なんでにやけてんの?」
あ、バレた…
「だっ、だって、僕の初恋は先生だけど、先生の初恋も…僕って、ことでしょう…?」
こんなこというのは恥ずかしいけど、先生の口から、聞きたい。
「あ…そっか…それは気づかなかったな…確かに、俺の初恋は、お前だな。」
先生はそう言って笑った。
「先生…」
うれしい…
「あ、それ、先生って、やめない?いけないことしてる気分になる。いや、いけないんだけどさ。」
「やめるって…先生は先生ですよ…?」
「でも俺にもさ、碧って名前があるんだよ?呼んでみて。」
先生ニヤニヤしてる…意地悪だ…僕が恥ずかしいの解っててそういうこと言うんだ…
「あっ…あ、おい…さん…?」
「……………………」
下を向いて言ったから、先生の表情がわからない…
先生の方を少し見たら、驚いた顔してた。
「えっ、先生!?」
「あっ、いや、大丈夫大丈夫……これからは、そう呼んでよ。」
「は、恥ずかしいです…」
「……………藍」
「えっ!?はい!」
今、僕の名前呼んだ!?
「俺も、これから藍って呼ぶから、な。」
「はっ、はい…」
心臓が持たないかもしれない…
顔あつい…
「藍、キス、してもいい…?」
「……えっ」
「嫌だったら良いけど」
「そんな!!ことっ、ないです!」
ブンブンと首を横に振る。
だって全然嫌じゃない、むしろ嬉しいのだけど、なにより恥ずかしくて。
「ふふっ、じゃ、目、閉じて。」
今、笑った?
この状態でその笑い方は反則だ…!
「あ、はい…」
目を閉じたら、唇に、あたたかくてやわらかいものが当たる。
ちゅっ と音をたてて離れていった先生…じゃなくて、あっ、碧さんの唇を見たら、今これが僕の唇と重なっていたんだなと考えてしまって、心臓が壊れるんじゃないかと思うくらいにドクンドクン脈打っていた。
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