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波乱の体育祭 〜3〜
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各々、自分の家族のところで昼食を済まし、午後の競技が始まる。
午後最初の競技は、部活別競走。
ルイと俺は、集合場所に行く。
神無月先輩、夜鳥先輩、その他二人の先輩はすでに来ていた。
「お疲れ様〜、二人とも!でも、このレース一番になろうね!!!」
そう意気込む神無月先輩…
だけど、周りを見渡せば、運動部ばかりである。
バスケにバレー、それにテニス…
運動部が7つと文化部が3つ。
ルイたちがいるとしても、あからさまに不利である。
にも関わらず…
「はい!頑張ります!ねぇ、隼人?」
ルイはやる気満々…
しょうがなく俺は、頷いた。
走る順番は、自由で部活内で相談して決めてよかった。
なので、とりあえず、女子の先輩たちが全員最初に走って、その後、ルイ・俺・夜鳥先輩の順で走ることになった。
不安が残るなか、自分の出発するところに立ち、レースの様子を見守った。
一番目と二番目の先輩は、やはり遅いが順調にこなす。
三番目の神無月先輩はさほど足が速くないものの驚異的なスピードでゴテゴテなゴシック風のワンピースを着こなし、5位という段階でルイにバトンを渡した。
ルイは、次々と他の人を抜かし、お題をとって、着替えの置いてあるテントに入る。
ルイは、何着るんだろうな…
若干、楽しみにしつつ待つ。
そして、そんなに時間もかからないうちにルイは出て来た。
来ていたのは………
黒い燕尾服。
あれだけの短時間でしっかりと着こなしている。
そして、女子たちの感激の悲鳴がグラウンド中に響く。
まあ、かっこいいよな。
本当に…
てか、本物の執事みたい…
そう思っているとすでにルイはすぐ後ろに近づいていた。
「隼人、よろしく!」
ルイから、断トツ1位でバトンを受け取りそのまま走る。
とにかく、後ろなんか気にしてられない。
俺は、お題を取ってテントに入る。
お題を見てみると…………
「はあ⁉︎」
何でまたこんなことになるかな………
俺は眉を顰める。
そのお題というのは、メイド服だった。
確かに前な燕尾服だから順序もいいかもしれないけど…
男にこれは…
いやいや、あぁだこうだ言ってられない。
ルイの努力を無駄にするわけにはいかない。
たくさんの衣装がある中からメイド服を探すとさほど難しくなく見つかった。
俺は、体操服を脱がずにそのまま上からかぶると、背中のチャックをあげるのに手間取る。
やっとのことであげる。
そして、他の衣装でもそうだったが、準備のいいことに靴や頭の飾りまで用意されていたので、それも装着する。
ここれでいいかな?
正しく来ていないと失格らしい………
確かさっきゴシック風の服のとき厚底のブーツを履かないでバスケ部が失格になっていた。
「よし!男は度胸!」
そう言い聞かせて、俺はバトンを持ってテントを出た。
チャックで手間取ったせいか3位になってしまっている。
とにかく、なるべく離されないように必死で走るが、なんせヒールのある靴なので走りにくい。
よろめきながらも、先輩にバトンを渡しす。
「や、夜鳥先輩!!」
俺は、先輩にバトンを渡した瞬間、スピードを消しきれずに俺は派手に転んだ。
「イテテ…」
膝を思いっきり、擦り剥いていた。
膝からは生々しく血が流れ、足にまで垂れてきそうな勢いだ。
俺は、衣装に付かないように靴を脱ぐ。
メイド服のほうはスカートが膝上の丈だったのでそこだけは良かった…
「隼人!」
ルイが慌てて燕尾服のまま俺のほうに駆けて来た。
そして、俺の膝を見た瞬間、目の色を変える。
へ?
ルイの目って、赤かったっけ?
その変化に対応出来ずにいる俺に関わらず
、ルイは俺の手を引き強引に何処かへ連れて行ったのだった…………
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