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辛い過去 〜2〜
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「あれぇ〜?こんなところにガキがいるよ。なあ?」
「そうだな…今日は、こいつらにするか?」
柄の悪い男が2人。
下衆な笑みを浮かべながら、俺らの顔を覗きこんだ。
気持ち悪い。
それが、俺の第一印象だった。
「顔は、2人とも中々上玉じゃねぇか。ククッ。」
右にいる赤髪で沢山のピアスをつけた男が俺の顎を持ち上げる。
骨張った手。
気持ち悪さに俺は、何か求めるように陽の手を握った。
すると、陽は無言のまま俺の手を握り返した。
陽の手も俺と同じく、震えていた。
「そうだな。じゃあ、連れて帰るか?」
左の長髪を一つでまとめた男が少し下がったところから尋ねた。
「もちろん、そうするさ。クククっ、さて、こいつらはどうやって楽しませてくれるのかな?」
俺らは、本能的に恐怖を感じ逃げようとするも、逃げ出すことも出来ずに男に捕まっしまった。
そして、赤髪は俺らを軽々と持ち上げると強く地面を蹴った。
あまりの衝撃に俺は、目をきつくつむんだ。
今思い返すと、たぶんあれはフリットだったんだろうな……
衝撃がなくなり、目を開けると何処か分からない廃墟の前にいた。
窓という窓は割れ、いつ崩れるかも分からないほどなかは、木材やら何やらで埋め尽くされている。
ここ…は………?
もう一つの肩に背負われた陽もよく分かってないようだった。
お互い顔を見合わせては、辺りをキョロキョロと見渡す。
そのまま、男は中に入って行った。
乱雑にされた入り口をくぐり、奥に進むと少し広い整理された部屋に辿りつく。
嫌だ………!
本能的にそう思った。
立ち込める血の匂いと腐臭。
それに、よくわからない生々しい匂い。
俺は、ない力で抵抗した。
だが、かいもなく男たちに拘束されてしまう。
手を前で組まされ、荒縄で縛りつけられその先を家の柱に括り付けられる。
「こらこら。暴れんじゃねぇぞ、クソガキ。」
縛り上げられて、縄が腕に食い込み、痛い。
すでに、赤くなりかけている。
「郁也、大丈夫か⁉︎」
陽も同じように手を縛り上げられていた。
「どうにか………」
痛いが、耐えられないほどではない。
外よりは寒くないし、凍え死ぬことはなさそうだ。
だけど、今はこれから何が起こるのか分からず、恐怖に駆られていた。
これから、どうなるのか……
恐怖が俺らを襲った。
男たちは、何処かに行ったかと思うとパンを持って戻ってきた。
「ほら、ガキ。どうせ、腹減ってるんだろう?食え!」
2人同時に口の中にパンを押し込まれる。
息苦しく、俺は涙目になりながら、どうにかこうにかパンを飲み込んだ。
全て飲み込んだところで、俺は大きくむせこんだ。
「げほっ……ごほっごほっ……」
「おいおい、吐くんじゃねぇぞ。そいつは、お前らには、もったいない品物なんだからな。クククッ。」
赤髪の男は、俺の髪を掴むと顔を持ち上げた。
食事をしたという感覚はないが、それでも皮肉ではあるが、空腹感は若干抑えられた。
手を離された俺は、力なく床に倒れこんだ。
気持ち悪い………
こんなに食べることが苦痛になりうるとは考えたこともいなかった。
隣で陽も同じようにむせこんで倒れる。
男たちは、それを確認すると部屋から出ていってしまった。
それを、見届けると陽は俺の頭に手を伸ばした。
「大丈夫、郁也。郁也は、俺が守るから…」
陽は、無理したように笑う。
本当は、自分も辛いくせに………
その優しさに俺は、ただ泣きながら、すがりつくしか出来なかった。
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