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6.今度こそ、秘密の手紙2
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いつもより早めに風呂と夕食をを済ませて、現在午後6時30分。栗原が帰ってくるまでは1時間半ほどある。何もしないで待つには少し長すぎる時間だ。かといって、実験のレポートや課題をを進める気分にもなれない。
何か、栗原が来るまでにできることはないだろうか。
…………そうだ。栗原と一緒に、また前を向いて過ごせるように、新しい僕になろう。2ヶ月の停寮期間を終えてまた新しく寮生活を始める栗原と同じように、僕も気持ちを切り替えるんだ。
僕は机の中から便箋を出して、手紙を書き始めた。
**********
ちょうど手紙を書き終えたころ、部屋のドアが開いた。僕がずっと待ち望んでいた瞬間がついにやってきた。
僕は手紙を机の奥にしまうと、栗原を出迎えた。
「おかえり」
「…………ただいま」
「荷物の整理、手伝おうか?」
「……そんなに荷物ないから、いい」
2ヶ月ぶりだからだろうか。僕たちの会話にはぎこちなさが漂っていた。それに、栗原の言葉が前よりも冷たい。
「そう。何か手伝うことあったら言ってね」
栗原は何も言ってこなかった。
以前のように話せないのが、もどかしかった。それとも栗原はもともとこういう奴だっただろうか。どちらにせよ、胸が苦しくて、今目の前にいる栗原がどうしようもなく愛しい気持ちだけは疑いようがなかった。
その広い背中に、今すぐにでも抱きつきたい。僕はその気持ちを抱えたまま、栗原の荷物整理が終わるのを待った。
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