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16話【ファンじゃなくて…】
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どうしよう…とても嬉しい!まさか私の本を全部読んでくれてるなんて。まさか友達になろうとしてた人がこんなに良い人だっただなんて…ニヤニヤが止まらない…あ、これではダメだ。いつも通り平常心で…
文弥「では後ほど私の部屋に来てください。そこでサインします」
家族の前でサインするのは少し頂けないものがある
文弥「それでは食事の方をお楽しみください、私は少し席を外します」
これ以上一緒にいるのは危険だと思った。嬉しさを隠しきれない。それにあの笑顔が頭から離れない…
私は部屋から出て扉を閉めた
文弥「ふ〜危なかった…」
音葉「いや〜あの近距離攻撃を良く耐えれたね〜」
気がついたらそこには音葉がいた
文弥「うわっ!いつからいたんですか」
音葉「今さっき来た。いや〜二次元特有の登場したくてさ〜」
二次元とか言わないで頂きたい
音葉「それにしても本当に良く頑張ったよ。あの笑顔は俺でも耐えれるか微妙だな」
確かにあの破壊力は凄まじかった。自分でもよく耐えたと思う
音葉「でも、これからが大変だね」
文弥「どういうことです?」
音葉「だってあの笑顔が思い浮かぶ限り、会っただけで反応しちゃう訳でしょ?」
あ…友達にならなきゃいけないのにこのままではダメじゃないですか…
音葉「直視したら、にやけちゃうし、避けたら怪しまれるしね〜」
文弥「どうしよう…折角パーティー開いたのに…」
佐藤家に興味を持ったのもそうだけど、友達作るために今日パーティーを開いたのに、このままでは…
音葉「良いこと思いついた!」
文弥「なんですか?」
音葉「あのね?」
~その頃~
球輝「ということだから作戦決行しなくて良いんじゃないかな?」
絵翔「そうだね、そこまで行ってるなら…」
格汰「油断大敵だぞ!」
球輝・絵翔「え?」
格汰「二人がそのまま作家とファンの関係で終わったらどうする」
球輝「あ〜そういう事もあるのか」
絵翔「そこまで考えて無かったな…」
格汰「俺は頭がいいからそういうのも見通せるんだよ」
球輝「そうだなコウタ兄の事に見直したよ」
格汰「本当か!?」
球輝「うん、馬鹿なコウタ兄が四文字熟語を活用してて」
格汰「おい、ぶっ殺すぞ」
格汰は球輝に襲いかかるが球輝はかわす
球輝「暴れるなよ!ほら作戦、作戦!文弥さんの印象を上げに行こうぜ」
格汰「てめぇ覚えてろよ?帰ったら絶対に殺すからな」
三人は陸志の所に向かった、陸志は料理を食べていた
陸志「おう格汰!格汰の料理、凄い美味しいよ!家出て、シェフになる修行するのもありかもねw」
格汰「大袈裟だっつーのwタカ兄、馴染めそうか?」
陸志「え?うん、さっきご家族とも話せたし、文弥さんからサイン貰う約束もしたし」
球輝「お〜よかったじゃん」
格汰「んで?文弥さんの第一印象はどうだった!?」
球輝・絵翔(え!?直球過ぎだろ!)
陸志「え?ピンポイントだねwえっと、なんか上品な人だなと思った」
格汰「それから!?」
絵翔(責め過ぎだよ!)
陸志「え?えっと…可愛かった」
球輝「え?」
陸志「いや、なんか案外ピュアな人で仲良くなりたくなった」
格汰「おう、そのまま友達になっちまえよ」
球輝(もうお前黙れよ!)
その時ちょうど文弥が来る
格汰「お、噂をすれば何とやらってやつだな!よし、タカ兄さっきの言葉を…」
球輝「ちょっといいかなコウタ兄!」
球輝と絵翔が格汰を掴む
格汰「なんだよ」
絵翔「ちょっとあっち行きましょう」
格汰を二人がかりで引っ張って行く
文弥「どうしたんでしょう…」
陸志「さぁ…」
よし、音葉から教えてもらった技で!
文弥「た、楽しんで頂けてますか?」
陸志「えぇ、凄く楽しいですよ?料理も美味しいし」
文弥「それは良かったです」
よし!普通に話せている、これなら…!
文弥「それでは私の部屋に行きましょう。色紙はこちらで用意しました」
二人は文弥の部屋に向かった
ここまでは順調だ、あとは…
~文弥の部屋~
陸志「うわ〜凄いキッチリとしてますね〜うちの弟達の部屋とは大違いだw」
文弥「あ〜あの二人の部屋は散らかってそうですものねw…あ、失礼…」
陸志「いえいえ、本当の事ですからw」
陸志さん笑っている。良かった。こうして誰かと笑いあったのは久し振りかも知れない。
陸志さんと話していると本当の自分が出てしまいそうになる。
文弥「そういえばサインですよね」
私はサインを書こうとペンと色紙を用意した
陸志「はい、よろしくお願いします」
文弥「こんな物で喜んで貰えるなんて私も嬉しいです」
陸志「こんな物だなんて…好きな作家のサインですよ?とても嬉しいです!…と言っても昨日、文弥さんの小説を読み始めたんですけどねw1度読んだら止まらなくて全部読んじゃいました!立ち読みですけど…」
え?
私は思わず手を止めて
文弥「1日で全部!?良く読めましたね」
二桁は出してるはずなのだが…
陸志「俺、読むの速いんですw内容が面白かったから一気に読めちゃいました。次作が待ち切れません!」
どうしよう、褒められてる。今まで読者からの感想と言ったら評論家からの硬い言葉しか無かった。確かにあれも嬉しい物ではあったがこんな暖かい言葉には及ばない
文弥「気に入って貰えて嬉しいです」
陸志「これからもファンとして応援してますね!」
え?…ファン?そんなの…そんなの…
文弥「そんなのダメです!」
陸志「え?あ、すいませんね、たった1日で好きになったとかニワカですよね…」
文弥「そうではなくて!」
ファンじゃなくて…
文弥「ファンじゃなくて…友達になってください!」
END
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