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神様はいつも
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文化祭の準備が始まった。
ここ、愛城学園では一ヶ月前から準備を始める。
俺も生徒会と部活とクラスの準備で大忙しだ。
俺と会長のクラスは、お化け屋敷をやることになった。
前話していたメイド喫茶は、松崎のクラスになった。
なんでも、松崎がどうしてもメイド喫茶をやりたい!とムキになって意見を通し、その権利を獲得したらしい。
しかし、お目当ての会長は違うクラスだと言うことを忘れており、まったくもって意味がないと、決まってから気がついたのである。
あいかわらずバカ全開だ。
「宗吉、手が止まってるよ。」
上から会長の声が降ってくる。
見上げると、会長がさわやかスマイルで立っていた。
周りには会長を扇子で扇ぐ奴が二人と、他に何人か取り巻いていた。
自分だって何もやってないだろ...
俺はそう言いたかったのをグッと堪えて、笑顔をつくった。
「すみません会長...宗吉頑張ります...」
それだけ言って、板に釘を打つ作業に戻る。
会長はポン、と俺の頭に手をのせると、撫でながらこう言った。
「手、怪我しないように気を付けるんだよ、宗吉。」
取り巻きから悲鳴が上がる。
怪我するどころかトンカチで頭殴られるわアホ!!!!!!!
俺はひきつった笑顔を向け、はっきり答える。
「大丈夫ですっ!宗吉頑張りますっ!!」
生徒に殺されないように頑張ります!
会長は「そうかい...」と言うと、取り巻きを連れて他の教室へ去っていった。
そう、会長の仕事はさわやかスマイルで見廻りをして、生徒のやる気を出させること。
あはは、立派なお仕事ですね☆
もう心のなかで「お前もやれよ」とか「遊んでんじゃねーよ」とか言いません。
なぜなら、
神様はいつも、
会長の味方だから...
そうして俺は、せっせとクラス展の準備をしたのである。
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