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帰る時間になった。みんな外に出て別れの挨拶をするみたい。ぼくが通ってた学校は教室でやったんだけどなあ…なんかすごい
「じゃ、有馬くんまたね!!」
「うん…ば、ばいばい」
「有馬!じゃーな」
「うん、ばいばい!」
帰るとき、みんなにばいばいって言われて嬉しかったけど、大声出すのがニガテで少し困っちゃった。
校門でキョロキョロとおじさんを探してたら、向こうからゆらゆらと着物姿で歩いてくる人影が見えた。
「あっおじさーーん!こっちこっち!」
遠くでおじさんはぼくに軽く手を振りながら浅く笑う。そしてぼくの頭を撫でてくれた。
その時、なんだか胸が熱くなってとっても恥ずかしくなった。…何でだろう?
……おじさん、かっこいいな
黒い天パの髪に切れ長の目、薄い唇にすこしヒゲがあって…大人って感じがした。
おじさんと手を繋いで帰ろうとしていたら、通りすがりの人達がヒソヒソって話してるのが聞こえてきた。おじさんのこと…かっこいいって言ってるみたい。
ぼくの自慢のおじさんだもん。
褒められて嬉しくなっておじさんの手を強く握る。でもなんでだろ…すこし胸がモヤモヤする。
「おじさんは…ぼくが1番好き?」
「んあ?…そりゃ1番…大事だなぁ」
1番…大事
そう言われてとっても嬉しかった。おじさんがどれだけかっこよくてもぼくだけのものだよ?だから取っちゃダメだからね
まだ後ろでおじさんを見てる女の人達にニコッと笑うと、その人達は焦ったように帰っていっちゃった。
「…有馬?ほら行くぞ?」
「はあーい。今日のご飯はなにかな〜」
「ん、今日は有馬がんばったからハンバーグにしような」
このことはおじさんには内緒だけどね
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