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木曜日の約束 vol.2
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泉を7時まで待つことにして、数分で俺は睡魔に襲われた。
…眠たい。
でも、ここで寝てしまったらもう起きることが出来そうにない。
しかも、このまま泉がもう家に帰ったと勘違いして帰ってしまえば、俺はおそらく明日まで寝てしまいそうだ…。
しかし、そんな思いとは裏腹に。
俺はそのまま睡魔に負けてしまった。
▢ ▢ ▢
「…な、…ひ……」
あぁ、誰かが俺の名前を呼んでいる。
もう、朝なのか?
いや、俺は確か泉を待ってて……
そこからは…?
「な…きて、雛、起きんちゃい」
段々と声がはっきりと聞こえるようになってきた。
うっすらと目を開ける。
そこには、少し困ったように微笑む人が居た。
「あ、起きた…雛、おはよ。悪かったの、遅ぉなって」
何か、謝っている。
まだ、寝ぼけている俺にはよくわからない。
その人は申し訳なさそうに眉を下げて俺をみている。
さらさらの茶色い髪。
綺麗なターコイズブルーの瞳。
ほりの深い外国人風の整った顔立ち。
低くてよく通る心地いい声。
顔立ちからは想像できないような懐かしい広島弁。
骨ばった高校生らしい大きな手。
あぁ、泉だ。
「…いず、み。遅かった…ね」
目を擦りながら、必死に自分を起こす。
「ごめんな。待っとってくれたんじゃね。ありがと」
約束だから、と一言伝えて泉を見上げる。
そしたら、急に体が宙に浮いた。
いや、泉が俺を軽々と持ち上げたんだ。
しかも、なぜかお姫様抱っこで。
羞恥心がくすぶられた
「泉、歩け、るから…」
歩けるよ。と訴えたが泉は降ろす気はないらしい。
ニコニコと微笑むとそのまま下駄箱まで連れていってくれた。
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