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その日、篤志はいつもの様に退屈な現国の授業をサボるため屋上に向かった。
埃臭い踊り場の先にある、錆びついて開き難くなった扉を力強く押して勢いよく外に出ると、目の前に広がる開放的な空間にホッと安堵の息をつく。
口煩い教師に、上辺だけ取り繕った胡散臭い笑顔を並べ馴れ合うクラスメイト達が、教室という檻の中で洗脳されていく姿はとても滑稽だ。
そして自分も其の中に埋もれていくのかと思うとほとほと嫌気が差した。
最初はとにかく息苦しいあの場所から、抜け出す事が出来ればどこでも良かったのだ。
初めて此処を訪れたのはいつだったか…通い出したのは比較的最近の事だが、もう随分と前からの様にも思える。
不思議な感覚だった。
それだけ肌に馴染んでいるという事なのかもしれない。
気がつけば屋上でエスケープする常連の内の一人になっていた。
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