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無の境地なんて俺には無理だ...。覚れないっ!!
食事が終わり「行こ?」と誘う巫女都に手を引かれて風呂へ来たものの、服を大胆に脱いでいく巫女都の裸に正太郎は釘付けだ。
「どーしたの?」
残すは下着一枚と言うところで、正太郎の鋭すぎる視線に気づいた巫女都が小首を傾げて聞く。
「......いや、....なんでもない、」
正太郎が慌てて視線を逸らし服を脱ぐと、今度は巫女都が正太郎の身体をマジマジと見て、自分の腹筋を触る。
正ちゃん、相変わらず凄い身体だなぁ。
一緒に道場に通い、同じ様に柔術に励んでいたのに、筋肉が付き難い体質なのか殆んど筋肉の無い自分とは違い、正太郎は服を着ている時は細身に見えるが、その身体には綺麗に筋肉が乗っている。
「 巫女っ!? 」
ペタペタと身体に触ってくる巫女都に正太郎は驚いてその手を思わず掴む。
「あ、ごめんね。嫌だった?」
「...いや、悪い。ビックリしただけ」
触られただけでドキドキと煩く騒ぎだした心音を悟られたくなくて、正太郎は急いで浴室に入った。なんかマズい。取り敢えず落ち着かねぇとと、正太郎がバスマットに胡座で座り込みシャンプーをしていると、巫女都が肩に手を置いて、おんぶの体勢で覆い被さり、伸ばした手で正太郎の前に置いてあるシャンプーボトルを押そうとする。
「正ちゃん、届かないからシャンプー出して。」
無の境地なんてくそ食らえだ!!
正太郎は理性の糸が切れる音を聞いた気がした。
背中に触れる巫女都の肌の感触や、直ぐ隣に見える横顔、それに高鳴る心音で気づかされた。
「......正ちゃん?」
いつまでもシャンプーを出してくれなくて、巫女都はその体勢のままで、正太郎の顔を覗き込んだ。
「......巫女、俺、......好きみたいだ」
「 なにを?」
「...............おまえ。」
「 なに急に?僕も正ちゃんが好きだよ?」
何を今更と言わんばかりに巫女都は笑い、また「シャンプー出して」と頼む。それでも出してくれない正太郎を訝しみ、視線をシャンプーボトルから上げると鏡越しに正太郎と目が合った。
鏡の中の正太郎が余りに真剣な顔をしていて、巫女都は一瞬固まる。
「.........正ちゃん?」
「...違う。巫女の言ってる好きと俺の言った好きは種類がちげぇよ。...俺は、男として巫女が好きだっつった。」
正ちゃんが僕を好き......?
「あー、...悪い。やっぱ今の無し!巫女を困らせるつもりじゃねぇんだ。別に今までと何も変わんねぇし。ただ、隠しておけなかっただけだから。...悪い、」
固まった巫女都を見て正太郎は慌ててそう言ったが、それでも何も答えてこない事に不安になる。
......嫌われたか?
沈黙が苦痛になり、正太郎は急いで身体を洗うと「先上がるわ」と巫女都に声だけ掛けて浴室を後にした。
残された巫女都の顔はりんごのように真っ赤だった。
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