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新入生歓迎会 9
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結果、ハンデなんてもろともせずに2-A紅が優勝を飾った。
優勝チームには、今から1ヶ月先の5月末にある宿泊研修にて、部屋、料理、移動手段、ありとあらゆる面においてグレードアップの権利が与えられる。
どのみち俺は宿泊研修に参加するつもりは無かったので優勝にはこだわっていなかったが、やっぱり純粋に会長と戦ってみたかったな、という思いが残った新歓二日目だった。
今日は自然解散、各自部屋に戻りシャワーを浴びてから亮平の部屋に集合することになった。
疲れたからルームサービスにしようとなったんだ。
バスルームに行き、ふと鏡を見る。
「…げ。」
首筋あたり、それからおでこに少し黒い汚れが。
多少の汗や水では落ちないタイプのスプレーだけど、どうやら汗をかきすぎたようだ。
危ない、危ない。
足を庇いながらのシャワーに手間取り、急いでも時間がかかった。
再びスプレーで髪を染め携帯だけを持って亮平の部屋に行こうと、制服のポケットを探る。
「あれ…?」
携帯が、ない。もしかして…と、思い当たる事があった。
更衣室で着替えているときバランスを崩して制服を落としたんだけど、その時にポケットから滑り落ちたのかも…と、ため息をつく。
時計を見ると、18時過ぎ。まだ学園は開いているだろう。
仕方がない、と携帯を探しに学園に戻ることにした。
携帯を取りに行くだけだし亮平と純には言わなくてもいいか、とエレベーターで下に降りる。
玄関で寮官の安達さんと出会い、少し世間話。怪我についても聞かれたけど適当に誤魔化し、学園に忘れ物を取りに行くと告げ、外に出た。
学園へ向かう中、俺は1ヶ月、商売をどうするか考える。
出来ないことは、ない。
だけどいざ何かあったときに対処できないし、無理をして悪化しても困る。
1ヶ月は、大人しくしておく他ないようだ。
幸い、2、3ヶ月ぐらいなら商売をしなくても大丈夫なぐらい貯えはある。
昨日からの災難続きに気が滅入り、不完全燃焼の闘志、商売が出来ない事への苛立ち、それと同時に感じる…安堵。
色んな感情がごちゃ混ぜになり、それらに加えて寝不足、運動をして疲れた体。
完全に気を抜き、警戒心をといていた。
純や亮平に気をつけろと言われたが、昼間俺に危害を加え松葉杖をつく俺を見て満足しただろうし大丈夫だろ、と思っていた。
今日はみんな疲れて各自部屋に引っ込んでいるだろう──と。
だからまさか、誰かが途中から俺の後を付けているなんて、思っていなかった。
学園はまだ開いていたので玄関をくぐり、1年専用の更衣室へと入る。
着替えていた場所へ行き、足を庇いながらしゃがみ辺りを見渡すと、ベンチの下に落ちてある黒い携帯。
「あった」
やっぱりポケットから滑り落ちてたか。
ホッとした瞬間、ドアが開き、入ってくる足音が数人。
振り向くと、最後に入ってきた人物と視線が合い…ガチャンと鍵が閉まる音がする。
「…九条…」
昨日から大人しくしていた九条。
俺を見ずに視線を逸らせ、おとなしくなっている姿を見せていたのに、今は前よりも憎しみのこもった瞳で睨んでいる。
「…君、やっぱりむかつくね」
抑揚のない声でぽつりとそうつぶやいた。
「君に怪我をさせたのは本田様と対戦させないためだったのに。怪我してまで試合して、そんなに本田様に近づきたかったの?」
「…お前だったのか」
親衛隊、当たりだったな。と、呑気に考えている場合じゃない。
「しかも本田様に抱き上げられて、頭撫でられて…。何?怪我を理由に取り入ったの?」
なんて自分勝手な考え。そんな九条に呆れる。
「君は強いみたいだけど、今日は昨日みたいにいかないみたいだね?足、怪我してるし」
誰のせいだ、と叫びたくなった。ジリジリと、近寄ってくる取り巻き。
その顔を見渡すが、昨日とは違う顔ぶれだった。
俺の様子を見ていた九条は、笑みを浮かべ、俺を見る。
「あぁ、気づいた?昨日の役立たず達とは違うよ。今日はね、暴力は暴力でも、違う方を用意したんだ」
その言葉に、嫌な予感がする。
「ソイツら、相手が誰だろうが勃つんだって。良かったね?」
薄ら笑いを浮かべながら言う九条。
嫌な予感が当たり、九条のやれ、の言葉とともに男たちが俺を抑えにかかった。
足を気にせずに、逃げれば良かった。足を庇わずに、蹴りつければ良かった。
一瞬の躊躇。それが俺を窮地に陥れる。
床に倒され、腕を左右から抑えられる。足も同様に抑えられ、一人が俺に馬乗りになってきた。
全部で5人。状況は最悪だ。
眼鏡を取られ、髪をぐいっと上げられた。
「うっわ!何だよお前綺麗な顔してんじゃねーか。ラッキー」
「わ、マジだ。そそられるぅ」
卑下た笑みを浮かべる男が頬をなぞる。顔を背けたその時、俺の携帯が鳴った。
「煩いけどそのまま鳴らしとこうねー」
携帯をベンチの上に置くと、ガッと顎を捕み顔を近づけてくる。
「可哀相にな?九条様のカンに障ったのが運の尽きだよ。
大人しくしてたら、気持ちいいこと沢山してあげるからさ」
そう言って首筋を舌先でペロッと舐めてくる。ゾクゾクと這い上がってくる──嫌悪感。
グッと体に力を入れ暴れようとするが、4人掛かりで抑えられているため小さな抵抗にしかならない。
何回か鳴っていた携帯は、今はもう静かになっていた。
「力入れちゃって、かわいー!」
「ま、無抵抗より多少抵抗されるほうが燃えるよな」
クックッと笑い声が降ってくる。
「無駄口叩いてないで、さっさとやりなよ」
離れた場所から冷たい声がする。
「分かりましたよー。ま、お前も楽しめよ」
「ンっ…ンーっっ!」
口を目の前にいる奴の口で塞がれ、無遠慮に入ってくる舌に思わず噛み付いてしまう。
「っ!てめぇ、痛い目にあいてぇか」
舌打ちをした男は、俺のTシャツに手をかけ、力一杯引き裂いた。
「ひょー!きっれーな体!うわマジでそそられるわ。
お前、早くしろよ。待てねぇよ」
「うっせ、黙ってろ」
舌を噛んだからかもう口を寄せてくる事はなかったが、手が体をはい回り舌が首筋や耳をなぞる。
嫌だ、嫌だ、嫌だ。
唇を噛み締め、唱える。嫌悪感がある。拒絶だってしてる。
だけど、数々の男に捧げてきたこの体は、俺の意思とは関係なく反応を始める。
男の手が執拗に胸の突起をいじくりやがて反応を見せるそこ。
「クスっ。乳首たってきてるけど?キモチい?」
俺は首を横に振る。
嫌だ、感じたくない。
「素直じゃないなぁ」
俺の顔を見ていた男が、視界から消えた。と、胸に感じる生暖かい感触。
唾液の音がして、カリっと甘噛みされる。
「…っ、」
必死に歯を食いしばり、体に力を入れる。
嫌だ、触るな。
「必死に抵抗しちゃってぇ。無駄無駄。それよりも素直に身を任しちゃえば?」
降ってくる、声。
その間も、男は愛撫の手を止めない。胸を散々なぶったあと、徐々に下がる手。
その手がベルトにかかり、今まで声を出すまいと食いしばっていたが、咄嗟に俺は叫ぶ。
「──やめろっ!」
「ハーイ、黙って」
「ンーっ!ンンっ!」
口の中に布を押し込まれ、声を出せなくなる。
「喘ぎ声聞きたいけど、騒がれちゃまずいからな。ま、もう学園にはほとんど誰も残ってないだろうけど」
ベルトがはずれ、ジッパーが下げられる。
「なぁんだ、しっかり反応してるじゃん」
下着の上から、ツツツ…と指が這う。
「ご開帳~」
と、心底楽しそうにジーパンと下着をずらした。
「ンンっ!ンーっっ!」
俺は必死に首を横に振り、無駄な足掻きだとしても、体に力を入れる。
「ほらほら、暴れない。今気持ち良くしたげるから」
キュッと中心を握られ、無意識に体が跳ねる。
「まずは1回イかせてやるな。潤滑剤とかもないし」
何のために俺をイかせようとしているのは明らかで、俺の中に次第に絶望が押し寄せてくる。
キュッキュッと上下にしごかれ、その間も腕を抑えた奴らが胸や首筋に舌を這わせてくる。
「お前らずりぃぞ。足だと何もできねーじゃん」
「しゃーねーだろ。後でたっぷり味わえばいいじゃん」
「ちぇー」
男同士、弱い部分は同じだ。男の手は、確実に俺を追い詰めていく。
嫌だ、嫌だ、嫌だ。
無意識に、縋る。
誰か、助けて──。
涙が一筋頬を伝った、その時。
ガンっ!!とドアからものすごい衝撃音。
その音に、室内にいた者全員が動きを止める。
ガン!ガン!となおも続く音にハッと我に返った男たちは俺を離して立ち上がり、ドアを睨んだ。
俺は体を起こし、ドアを見つめる。
ガン!!と一際大きな音と共にドアの鍵が壊れ、バタンっとドアが開く。
そこに居たのは──。
俺を真っ先に捕らえた視線。
眉間に深くシワが寄り、怒りをあらわにして室内の男達を見回した。
「てめぇら、何をしてる」
ゾクリ…と背筋が凍るような、低音。
「ほ、ほん、だ、さ…ま…」
ドアのそばに居た九条が驚きと恐怖に目を見開き見つめるその先に。
リュウがいた──。
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