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「ちょっとお前貴先輩呼んできてくれよ。貴さんが来たら優馬も落ち着くと思うし」
「え、いや、いきなりそんな事言われたって……」
チラリ、と壁掛け時計に視線を向ける。針はちょうど15時をさしていた。
えーと、確か実お父さんが貴文さんはいつも土曜日は4階の部屋で夕方まで寝てるって言ってたような……。
「た、多分今家で寝てると思うから起きるまで待つ……とか?」
俺的にはちょっとした情報を提供したつもりだった。信ぴょう性があるかないかは別として。だけど……。
「貴さんは今寝てる……?」
ふいに叔父さんと睨み合いをしていた優馬さんの視線がギッと俺へと向けられる。ひっと身を退いた俺の元へダカダカダカダカと足音をたて優馬さんが近付いてくる。
「鷹ちゃん、貴さんとはどういう関係? なんで貴さんが今寝てるだなんて知ってるのかな」
「え……え?」
「まさか付き合ってるとか言わないよね? もしそうだったら僕鷹ちゃんに酷い事しちゃうかもしれないけどいいかな」
付き合ってるって、誰と誰が? もしかして俺と貴文さんが? いやいやいや。
「ちっ、ち、違います!」
寒気が感じる程の満面の笑みでズズイっと顔を近付けてくる優馬さんに慌てて両手を振った。
「実お父さんが土曜日は貴文さんは夕方まで寝てるって言ってたから。ただそう聞いたのを言っただけで、なんで付き合うだなんて話になるんですか! そ、それに俺は男ですよ!?」
同性で付き合うだの付き合わないだの何を言ってるんだこの人は。もしかして俺を女だと思ってるんじゃないだろうな。
弁明の言葉をたてれば、優馬さんは訝しげに目を細め俺を見る。そして暫く見たあと「まぁ、ないか」と独り言のようにポツリ。
「君可愛いけど貴さんの趣味じゃ無さそうだし。ごめんね、今のは忘れて」
忘れてって…………なんなんだよこの人。
彼の最後の言葉にちょっとだけイラつきを覚えて不快に眉をつり上げていると、横にいた斗真が「悪い」と謝ってくる。
「こいつさ、こう見えてほんっっっとーに貴先輩の事になったら変態だから。これ、通常運転だから。無視してやってくれる?」
「はあ……」
もしかしてこの人の方がまだマシ……なんだろうか。いや、ドアを蹴破る時点でまともじゃないと思うけど。
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