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おじさんと八重歯
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「ほらこれ証拠」
そう目の前に出されたのは身分証明書。
そこにはちゃんと夏木 楓という名前と一緒に生年月日。
辿るとやはり…
「童顔おじさんとか聞いた事ねぇよおっちゃん」
それにピクリと眉根が上がる。
「やからあんたはさいぜんからほんまに失礼なガキやな!!」
「んだよ、さいぜんって最前?」
それにはぁっと溜め息をつく。
「さいぜんゆーのはまぁ標準語で言うさっきって奴や」
大丈夫かなこのおじさん。
「見た目14くらいに見えるよ?おっちゃん」
「おっちゃんしゃべるんやめれ!!」
って言われてもなぁ
「じゃあなんて呼べばいい」
一瞬考えるそぶりを見せると
またあの冷たい目で言った。
「なん?あんた結局帰れへんんか?僕が名前を呼ばせたら知り合いってモンになる。それになってたいんか?」
そのあまりの冷たさにゾクリと嫌な汗が伝う。
「ぁ…ちがっ」
怖い。彼は恐怖を畏れを全身にまとっていた。可愛い顔のくせして。
「なら名乗る必要はへんやろ。で、あんたん名前はなんや」
…前言撤回。こいつ怖いけどバカだ。畏れとか何それ。
「あんたこそっ俺と関わりを持ちたくないんじゃねぇの?」
そう言うと面白く無さげに指先で輪っかを作る。
「まぁな。関わりたくへんといえば関わりたくへん。やけどあんたはおもろい。どないせ家出中や心いかはったまで僕ん家を使えばええ」
ふっと笑うと俺の頬を撫でる。その動きに固まる。
「そないにビクつかいなくてもええやろほんまにおもろい奴やな」
こんな所に居たくない。こいつは絶対に何かたくらんでる。
ヤバイ奴だ。でも家出中の身、誰も頼れない…。
なら
「あぁ、お世話になる…童顔おじさん」
それにバコッと頭をはたかれる。
「おっちゃん言うな!!僕ん名前は夏木 楓どす。楓はん呼べ」
その言葉遣いに笑ってしまう。
「楓さんはやっぱおじさんでしょ。どすとかwwww」
それにまた殴られる。
「そないゆーあんたこそなんて名前や」
「春田 八重。」
それにプッと笑う。
「八重歯みたいやなぁwwwww」
ほんとコイツむかつくむかつくむかつく!!!!!
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