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始まり ~sideじゅん~
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じゅん。
自分のこの名前を誰がつけたのかは知らない。
物心着いたときには、俺は一人きりだった。正確には、血の繋がった人間が周りにはいなかった。
両親がどこでどうしているのか、そもそもどこの誰が俺の親だとわかっているのかすら、知らずに育った。
施設の職員が親代わりだったし、施設で一緒に暮らす仲間が、兄弟であり、友人だった。
そんな暮らしに違和感を覚えたことはない。
小学校に入ると、女っぽい見た目や施設育ちということで、いじめられたりもしたが、あまり気にならなかった。そんなことどうでもよかった。
自分の世界は施設が全てで、それで十分だったのだ。
そんな生活が一変したのは中学に入ったときだった。
中学に入る直前くらいから、低かった身長が一気に伸びて、それまで手足とのバランスが取れていなかったのが、急に整ってきた。
中学入学後は、まるで別人のような扱いの変化にただ驚くしかなかった。
とにかく女子にモテた。身長は伸びたことは伸びたが、中学生としては平均くらいだっただろう。それでも、周りの背の高い男子たちよりは、はるかに人気が高かった。
女の子にちやほやされ、「カワイイ」とか言われ、調子に乗ったわけではなかったが、案の定妬んだ男子に酷い暴力を受けるハメになった。
それを救ってくれたのが、木場先輩だった。思えば、この出会いこそが俺の始まりだった。
木場先輩は、剣道部の主将で、その体格は中三にしてすでに高校生並みで、男の俺から見ても惚れ惚れするような、男前で。
そんな人が、たまたま助けた相手である俺を、たびたび気にかけてくれて、部活の後輩よりも可愛がってくれた。俺はすっかり舞い上がり、先輩に憧れを抱いていく。
そして、俺の世界が先輩一色に変わっていき、木場先輩の俺を見る目が、それまでとは少し違う、男の目になっていたことにもなんとなく気がついていた。
ある日、先輩の家に遊びに行った日からそれは始まった。
最初は服の上から体に触れたり、軽くキスをする程度。それを俺が拒むはずもなく、どんどん行為はエスカレートしていく。先輩が中学を卒業する直前には、俺は後先も考えず、先輩に処女を捧げた。
その後、先輩はあっさりと俺を捨て、俺なんかが到底入れるはずもないお坊っちゃま全寮高校に行ってしまった。
残された俺は、開発だけされてしまった体を抱え、生きていくしかなくて。
一度人肌の温もりと、あの快感を覚えてしまえば、転がり落ちるのは早かった。
それでも、中学、高校とは、施設の監視の目もあり、表向きは大人しくしていた。
施設を出てからは、わざわざ言うほどのことではないが、自分の欲望に素直に生きていった。
そして、俺はすっかり独り寝のできない淫乱な体となり、自分の体を満たしてくれる相手を常に求める生活になる。
相手は、後が面倒でなければ誰だっていい。
今夜だけでも、俺とセックスしてくれて、できれば絶倫なら最高だ。俺を満たしてくれるなら、セフレだろうが行きずりだろうが、誰だっていい。
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