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覚醒1~sideじゅん~
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目が覚めるのと同時に激しい痛みが俺を襲う。というよりも、痛みで目が覚めたのかもしれない。
「う・・・」
痛みで自然と声が漏れる。
その声が自分でもわかるくらい掠れていて、どんだけ啼かされたんだって思ったら情けなくて笑える。
でも、笑おうとして表情筋が動いた瞬間、またしても激痛で呻き声が出る。
「うぅッ・・・」
動くことは諦めて、ゆっくりと回りを見回す。片目は完全に腫れているようで半分も開いていないようだったが、なんとか視界は広がる。
ゆっくりと自分の回りを見回すと、全く知らない場所だった。セフレの誰かの部屋かな、と思っていたのにそれも違う。こんな俺を引き取ってくれる相手なんて思い浮かばないんだけどな。
もしかしたら、田中の“囲い部屋”なのか?
六畳間の和室。部屋には炬燵と小さな棚が置かれているだけで、ほとんど物がない。田中と炬燵がどうしても繋がらなくて、内心首を捻る。
そこまで考えていると、静かな水音が響いていることに気がつく。
誰かいる。
そのことに気づいた瞬間、体の奥底からの恐怖を抑えることができなかった。
───怖い・・・
もしかしたら、隼人に捕まっているのだろうか。
いつどうなってもいいと思って生きていたのに、こんなに怖い思いをするなんて。
ドクドクと心臓の音が煩い。指先が細かく震えていて、今にも恐怖で叫び出しそうだ。
カタッ、と音がして、その後すぐにミシッ、ミシッと足音が近づいてくる。
部屋に入ってきた人物は上半身裸で男だとはわかった。濡れた頭を拭いているのだろう、バスタオルを頭から被っていて顔は見えない。バスタオルのお陰で、こちらの様子には気づいていないようだ。
逃げられるわけでもないのに、まだ眠っているフリをした。
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