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紙切れ2
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「これで、終わりじゃねーよな?」
情けない、と思ったが、出ていく純にそう問いかけていた。
少し、戸惑ったように見えた純は、無邪気に笑っておれに向き合う。拒絶されなくて安心したけれど、軽い調子で『好きだよ~』と返されたときと同じ感覚もあった。
それでも、おれをまっすぐに見つめてくる視線に知らず胸が高鳴る。
「もちろん!俺まさとのエッチ好きだし!しばらくはそんなに仕事も入れないから、助けてもらえると嬉しいし!」
高鳴った分だけ落ち込んだだけだったが。
例えようのない虚しさが、おれを覆う。
ただ、純の言葉に一つだけ疑問を感じていた。
「助けるって何をだ?」
一瞬、金銭的なものかと思ったが、以前から金に困ってないとは何度も聞いていた。
それなら、何を助けてほしいんだ?
助けが必要なくらいなら、ここに居ればいいんじゃないのか?
おれの疑問はすぐに解消された。
───最悪な形で。
「あれ?言ってなかったっけ?俺ってさ、エッチしないと夜眠れないんだよね。この前までは安定剤でなんとかなってたんだけど、それももう出してもらってないし」
・・・安定剤?
・・・眠れない?
「だから、まさとが相手してくれたらすんごい助かる。今回のことで、今までのセフレ全部切っちゃったし」
愕然としたまま、おれは何も言えなくて、ただ純が差し出した紙切れを受け取った。
おれの様子を気にするような素振りもなく、純は少しの荷物を持って、出ていったのだ。
「じゃあねー」
と最後まで軽い調子のままで。
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