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再会10
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返事は早かった。
『いいよ』
短いOKの返事に、また舞い上がる気持ちが高まった。
どこで会うか、とすぐに尋ねられたが、純と外で会うのが嫌だったおれは、純の家に行っていいかメールで尋ねる。しばらくの沈黙のあと、さっきと同じ短いOKの返事が来て、更におれの気持ちは浮き上がっていった。
*****
一度だけ行ったことのある、純のマンション。以前、配達のアルバイトをしたこともあって、この辺の住所なら大抵は迷わず行ける。
おれの予想通り、純のマンションに到着したのは、バイトが終わってからほぼ20分分後。自分でも、どんだけ急いだんだ、と思うと苦笑するしかない。
エントランスで純の部屋番号を機械に入力して、呼び出しボタンを押して。
それだけのことで、緊張した。
『はぁい、まさと?』
間延びしたような、ゆったりした純の声からは、おれのような緊張感は全く感じられなかった。
「久しぶり、だね」
少し微笑みながら、ドアを開けてくれた純の姿に胸が高鳴った。
おれの家でいつも着ていたグレーのスウェットではなく、テロンとした素材のシャツの上にざっくりとした薄手のニットを重ねていて、シャツと同じくテロンとした素材のサルエルパンツを履いた純は、おれの欲目なのかたまらなく魅力的で。
気がつけば、おれは純の腕をつかんで引き寄せていた。
甘い匂いは純のもの。ただ、おれの家で使っていたものとは違う果物のようなシャンプーの香りがおれの鼻をくすぐる。
抱き慣れたというほどには、抱き締めた回数の少ない体。おれの腕の中にすっぽり収まるサイズは、少し小さくなったような気がする。
「純・・・」
「ふふっ、まさと?・・・ちょっと、苦しいよ?」
純の余裕そうな態度が、おれの想いとの違いを思い知らせるような気がして、胸が苦しかった。
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