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傷だらけ
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そのまままっすぐ帰るつもりだったけど少し寄り道することにした。
行き先は、最後にサキくんに会ったあの場所。
たまには、一人黄昏れるのもいいかも知れない。
歩いて10分ほどで、歩道を逸れ、凸凹の坂道を登る。登り終える頃には遠くにベンチが見える。
よく見ると、誰か先客がいた。
誰だろ?
夕陽による逆光で、その背中は黒い影にしか見えない。誰かいるのならば、諦めよう。
そう思った。が、見たことのある背中であった。
心臓が、大きく跳ねる。
「…あ…ぁ…」
いつの間にか駆け足になる。
ドクドク高鳴る鼓動が耳に響きわたり、体が熱くなってくるのがわかる。
僕の足音に気づいたのか、ゆっくり振り返るその背中に向け名前を呼んだ。
「さきくんっ!!」
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