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嘘の癖
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「なぁ、お前好きな人いるって言ってたよな?」
いきなり何なんだこいつ、今そんなことどうでもいいだろ…何考えてんだか全然わかんねぇ
「…だったら何…」
空の質問に全く興味が無いように答えた。
「ふぅ~ん……それって一ノ瀬獅音だったりする?」
…………こいつ今、一ノ瀬獅音って言った??
……なんで?……大丈夫…俺は一言もそんなことは言ってない、いつも通りだ…いつも通りにやればバレることはないはずだ…大丈夫、いうセリフは決まってるだろ。よし、言え。
口を開けて言葉を発しようとしたら、空が不敵にニヤッと笑って俺より先に思わぬ言葉を口にした。
「…図星かぁ」
「…は?!」
え、なんで?!……なんで?!?!まだ何も言ってない。なのに、なんで?!
「ははっ、なんで?!って顔だな。癖だよ。嘘つくときの癖治ってないのな、まぁ教えてやんねぇけど。」
「っ!!!!」
癖?!?!なんだよ癖って!!!俺って嘘つくときどんな癖出てんだよ!!?自分じゃ分かんねぇから治せねぇし、嘘つくときもろバレじゃねぇかよ!!!!あーもう!!俺の馬鹿野郎!!!!!
「……マジかぁ、真白って一ノ瀬の事好きなんだぁ。ホモだったんだな」
「ち、違う!!!!ホモじゃない!!!」
首を横に振って必死に否定した。
ホモではない!可愛い女の子好きだったし!!!たまたま今好きな人ってのがあいつなだけでホモではない!!断じて!!!
「ん~まぁ、真白がホモかどうかは置いといて。一ノ瀬の事好きなのには驚いたなぁ。めっちゃ嫌ってたじゃん」
「………うるせぇ、お前には関係ねぇだろ。こんなことまで聞いて何が言いたいんだよ。」
俺は見上げるようにして目の前に立っている空を強く睨んだ。
「おお~怖っ!!そんなに怒んなくてもいいだろぉ?ちょっとからかっただけじゃん」
……怖くねぇくせに。
こいつは俺のことが好きっつってたよな、なのに好きな奴の話聞いても平然としてるし、それでからかってくる始末だ。ほんとに何考えてんだ、何が目的でこんなことしてんだよ。
教える気はさらさらなさそうだけどな。
そしてさらに予想外なことを言う。
「それに、全く関係ないって訳じゃないんだよなぁ」
そういった空はまた俺と視線を合わせるようにして腰をかがめて顔を近づけてきた。ニヤニヤした顔を殴ってやりたくなったけど縄で縛られててそれは叶わなかった。
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